ライフワークバランス。「仕事と生活の調和」と訳されます。最近、よく見かける言葉ですが、なんとなくわかるような、でも、具体的にはどうすればいいかわからないような感じがしませんか。 実際、仕事と生活のバランスをどうとるかは、勤めている会社や、個々人の状況によります。でも、生活と仕事について「今は、こういう考え方があるのだ」と知ることは、安心につながるのではないかと思います。 著者は『女性の品格』『親の品格』の坂東眞理子氏、『「捨てる!」技術』『母の作法』の辰巳渚氏、臨床心理士の内田恵理子氏、産婦人科医の堀口雅子氏、内科医・産業医の荒木葉子氏、産業カウンセラーの岡山慶子氏。それぞれの立場から、生活や仕事のバランスを「整える」という観点から綴っています。大きく変えるのではなく、「曖昧なところを整える」、という意味だそうです。
私は「考え方を整える」という項目が、とりかかりやすいのでは、と思いました。たとえば「私の好きな『私らしさ』を見つける」。今の女子大生は、「素敵な女性像」について「前向きに生きている」「自然体で生きている」ということをあげるそうです。ちなみに20年前は「家庭的な女性」あるいは「背筋の伸びた女性」というようなわかりやすい女性像でした。時代とともに価値観はかわります。「私が好きな『私らしい私』」を見つけるメリットは「これでいいのだ」と納得でき、不思議な開放感が得られることだそうです。 また、「自分が成長したのはどんなときか知る」ことも薦めています。日本の女性は、仕事を通じて成長することを大事にする傾向があるとのこと。この項目を書いた岡山さんは、ご主人と暮らしていると「私のいいところが自然に出てくる」と感じるそうです。成長を多く感じられるようになると、仕事も生活も充実します。活き活きとした想いが、仕事と生活の力になるのでしょう。
この本では、画一的なことを押し付けているのではなく、各個人の「私はどう生きたいのか」「私はどんな人間でありたいのか」という問いが大事だとしています。残業で忙しくても自分が困らないなら、それはライフワークがとれているということ。他人の幸せと、自分の幸せは違うし、自分のライフワークバランスと、他人のライフワークバランスは違います。社会の一線で、さまざまな状況を乗り越え、活躍している先輩たちの知恵とエールを感じました。
■ワークライフバランス 今日から変われる入門講座 ■坂東眞理子・辰巳渚 編著 ■朝日新書 ■本体740円+税