東北日和について
メンバー登録
●
Book Cafeのトップ
> Happy Discovery!の本棚
人間としての豊かさ
『寂聴さんがゆく 瀬戸内寂聴の世界』瀬戸内寂聴、伊藤千晴
もう10年位前になるでしょうか。残暑厳しい中、私は岩手県の天台寺に、寂聴さんの法話を聞きに行ったことがあります。バスを降り、参道の上に小さく存在するお寺を見上げると、黒くうごめく人の数に驚かされました。たくさんの人々が遠路はるばる、自分の人生を抱えて、やってきていたのです。1万人集まるときもあるそうです。途中の小さな町とは、別世界のようでした。
あまりの人と熱気で愕然としていると、上のほうから「下の赤いシャツきたあなた達、早く早く。みんな待っているのよ!」とマイクをとおして、「からから」と元気の良い声が聞こえました。寂聴さんでした。嬉しくなって、長い参道を苦もなく上がっていったのを覚えています。
寂聴さんのお声には力があり、しっかりとした明るさを感じました。お話の内容も、懐深い愛情をベースにしたもので、周囲の人々は笑ったり、しんみりしたりしていました。2005年6月に天台寺の住職を引退なさっていますが、多くの人々に生きる力を与えてくださったと思います。
「どんな苦しみも味わったことがない人は、ちょっと見たら羨ましく見えますが、その人は人生の深いところを味わわないまま死んでいくわけですから、むしろ、気の毒なんじゃないかと思います。たくさん愛して、たくさん苦しむ。そして、たくさんの苦しみ悲しみをともに分かち合うことができる人、これが本当に慈悲のある人ということだと思います。(法話にて・本文より抜粋)」
できるなら苦しいことは味わいたくありませんが、それでも、何らかのことは避けられません。その苦しみによって「人間が深くなる、広くなる」と考えることは、はじめはほんの小さな灯りであるかもしれませんが、次第に心に光りを広げてくれるのではないかと思います。寂聴さんのお話に強く勇気づけられるのは、波乱の人生の中で「たくさん愛して、苦しんできた」からこそ。「真の人間の豊かさとは」、と考えてしまいました。この本で、寂聴さんのやさしさを、多くの写真とともに、感じることができます。
2006年11月、寂聴さんが文化勲章を受章されたとき、あの天台寺の力強い法話が、鮮やかに蘇ってきました。徳島県ご出身ではありますが、平泉町中尊寺で得度されるなど、東北にもご縁のある方です。2007年3月には延暦寺一山の住職にもなられるそう。ご活躍される姿を拝見できるのは、とても嬉しいですね。
■『寂聴さんがゆく 瀬戸内寂聴の世界』瀬戸内寂聴、伊藤千晴
■ 平凡社 ■本体1,600円+税
寂聴さんの文章を読んでいると、元気になってきます。明るくて強い。そして希望、安らぎを感じます。あなたが読むと元気になる作家は誰ですか?
・
『ワークライフバランス 今日から変われる入門講座』坂東眞理子・辰巳渚
・
『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』勝間和代
・
『わたし時間のつくり方』金子由紀子
・
『愛とは、怖れを手ばなすこと』ジェラルド・G・ジャンポルスキー
・
『癒しのハーモニーベル2 豊かさを呼び込むCDブック』居田祐充子
・
『人生のすべてを決める鋭い直感力』リン・A・ロビンソン
・
『ほめことば練習帳』山下景子
・
『幸運予告』佳川奈未
・
『自分を生かす古武術の心得』多田容子
・
『いいかげんに片づけて美しく暮らす』岩里祐穂
・
『きっと、よくなる!A[お金と仕事]編』本田健
・
『マリッジ・プレミアム』赤城夫婦
・
『世界基準の女になる!』桂 由美
・
『フジ子・ヘミング 運命の力』フジ子・ヘミング
・
『あなたが「あなた」を超えるとき』中谷 彰宏
・
『一人で生きる勇気』ドロシー・ギルマン
・
『生きる美学』田中宥久子
・
『思いやりの日本人』佐藤綾子
・
『オードリー・ヘップバーンの秘密 エレガントな女性になる方法』メリッサ・ヘルスターン
・
『願えば、かなう。』佐伯 チズ
・
17歳は2回くる おとなの小論文教室。III
・
ターシャ・チューダーの言葉 特別編 生きていることを楽しんで
・
『運命を変える言葉』五日市剛 今野華都子
・
『寂聴さんがゆく 瀬戸内寂聴の世界』瀬戸内寂聴、伊藤千晴
・
『それからのパリ』雨宮塔子
・
『Tira mi su [ティラ ミス ] 〜だから私はがんばれる!〜』荒川静香
・
『バレエ漬け』草刈民代
・
『前田義子の迷わない強運哲学』前田義子
▲ページの先頭へ