彼女の代表作、映画「ローマの休日」は、今から50年以上も前の作品であり、時代は常に新しいものを求めているにもかかわらず、彼女の存在は今もなお輝きを放っています。先日も、サイトの広告欄で「ローマの休日」のアン王女のときの写真を見かけました。その写真からは、気品、知性、明るさ、そして幸福感のようなものが伝わってきました。
私は、彼女のことをおとぎ話のような映画のヒロインとしてしか知りませんでしたが、本屋でふと手にとったこの本を読んでみて、彼女がなぜ人々をこれほどまでに惹きつけ、今もなお愛されているのかがわかったような気がします。この本には彼女の熱心なファンのフリー・ライターによって、オードリーの言葉や友人達の言葉、エピソードが集められており、オードリーのユーモア溢れた洞察力、凛とした生き方、そして人類への愛情のようなものを、感じることができます。
彼女は少女時代に戦争をオランダで過ごしました。そして、8年間、無名のダンサーとして下積みをしました。コメディ映画「モンテカルロに行こう」でアメリカ人女優をしていたときにフランス人脚本家に見出され、ブロードウェイ「ジジ」の主役に、「ローマの休日」にと女優の道を歩みはじめます。彼女は、それから2度の結婚、2度の離婚をし、真の愛にたどり着きました。流産もしましたが、後に子どもにも恵まれました。また、ユニセフの親善大使もしました。人生をダイナミックに経験したのです。
人の一生は、最後までどういう心のあり方で生きたか、ということにかかっていると感じます。彼女は試練を乗り越えたあとには必ずご褒美が待っているとわかっていました。そして仕事だけに生きた人ではありませんでした。戦争を体験し、大切なのは「安全と食料、そして家族」と知っていました。それは、私達も同じです。「オードリーのようになりたい!」と渇望するのではなく、オードリーが大切にしていたものを同じように大切にすることによって、彼女のようになれるのではないかと思います。
また彼女は 「チャンスなんて、そうたびたびめぐってくるものではないわ。だから、いざめぐってきたら、とにかく自分のものにすることよ」 とも言っています。彼女が人生に挑戦し続けたのは、日々を宝物のように大切にするためでした。その生き方が、彼女を、磨けば磨くほど光る宝石のように輝かせたのでしょう。