私が本田さんに初めてお会いしたのは、2002年4月、仙台での講演会のときでした。本田さんの1冊目の本が、出るか出ないかの頃です。講演会場で初めてお話ししたことを、今でもはっきりと憶えています。深くて優しい目が印象的でした。年齢が近いこともあったのかもしれませんが、幸せやお金と仕事についての講演内容もストレートに響いてきました。さらに懇親会でお話ししたとき、もっといろいろお話を聞いてみたいと思いました。
2003年6月、私は本田さんの個人セッションを東京まで受けに行きました。そして、自分が人生をあきらめていることに気がつきました。世の中には、人生に挑戦している人がたくさんいます。そういうプラスな情報もたくさんあるのに、私は傍観者でした。
本田さんは、普通のお話をされるときは、とてもソフトなのですが、セッション中は、人が変わったように厳しいことを言う方でした。あまりにも的確で、泣きたくなるくらいでした。本当に真剣にアドバイスしてくださったのだな、と思います。それは、本田さんも悩んだ時期があったから。「十年近く前、私は人生のどん詰まりを体験していました。どれだけがんばろうと思っても、体が動かなくなってしまったのです」という文章を読んだとき、セッションでの話が、さらに深遠な意味をもっていることに、今さらながら気がつきました。
本田さんはこの5年間で文庫や翻訳本も入れると28冊出版し、著作シリーズは200万部を超えました。懇親会の居酒屋で隣に座っていたお兄さんが、今ではカリスマ的存在というのは、嬉しくもありますが、正直ちょっと寂しくもあります。それでも、この「きっと、よくなる!A[お金と仕事]編」は、今でも本田さんは優しくて厳しいアドバイスをくれたお兄さんのままなのだ、と感じる心温まるものです。
この本を読んで感じるのは、「自分の心の声を静に聞いてみること」の大切さです。そのことを、簡単に思う人と、怖く思う人がいるのではないでしょうか。世の中には、好きな仕事をしている人とそうでない人がいるようです。好きな仕事をしている人は、あたりまえのように好きな仕事をして、そうでない人は「好きな仕事なんてないし、あってもできるはずがない」と思っているように見えます。本当の自分の気持ちを無視しては、がんばる力がわかなくなるまでがんばっても、幸せにはなれません。しかし、自分の本当の気持ちに気がつくことができれば、なんらかの一歩を踏み出すことができるかもしれません。わかりやすい内容であるとともに、読むほどに「幸せの意識」が沁み込んできて深奥な智恵を感じる本です。