「直感を、どれくらい信じていいのか」という疑問は、多くの人達が持っているのではないでしょうか。直感を信じた場合、または信じなかった場合のその後はどうだったでしょう。「他の人は、直感をどういうふうにキャッチして、どういうふうに活用しているのか」ということも、気になるところです。
そもそも、直感とは何なのか。この本には、直感の特徴、直観力の訓練の仕方や活用法などが、わかりやすく、まとめてあります。著者は「直感コンサルタント」会社を経営しているリン・A・ロビンソン。彼女は、ビジネス・日常生活の現場に大変革を起こしている、アメリカで最も注目されているコンサルタントです。彼女の助言を聞いて成功したビジネスパーソンの話も数多く書かれています。
私が感じたのは、「自分の事情で何かを無理やりすすめないこと」の大切さです。「自分の勝手な都合を封印する」という項目もありました。別ないい方をすれば、周囲の人も幸せになる直感のほうが上質でしょう。物事を、自分の都合からだけではなく、もっと大きな観点から見る必要があるような気がします。
また、「『正しい直感』をどう見極めるか」ということについて、「若干の不安は許容範囲」と書いてありました。この「若干の不安」で動けない場合が結構あるのではないかと思います。私も、つい先日、食事会の場所選びで、「この店だと失礼だろうか」「あの店で喜んでもらえるだろうか」などと考えていました。でも、結局は最初になんとなく思いついた店にしました。どんなささいなことを決める場合でも、不安はあります。でも、そういう経験を積み重ねて、どの程度の不安が許容範囲なのかを見極めていくことが大事だ、と思いました。そう考えると、食事会の幹事だけではなく、いろんなことを積極的にやっていくことは、とてもプラスになるとあらためて感じます。
面白いのは、最後の最後に「結局は忍耐勝負になる」というところです。つまり、この本に登場している、直観力で幸せになった人達は、一夜にして直観力の導きを手に入れたわけではないのです。本書で紹介された方法で正しく訓練し、直観力を向上させ、そのことによって人生を好転させてきたのです。「直感力は、地に足がついた生き方によって発揮さるようだ」と感じ、きわめて現実的な気持ちになりました。と、同時に「直感に従ったあと、結果をあせる必要はない」とも感じ、肩の力がぬけたような気がします。直感と、前向きにつきあえるようになり、人生に変化をもたらすきっかけをくれる本だと思いました。