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おすすめの1冊
『風神秘抄』荻原規子
『風神秘抄』は、荻原規子さんの
日本神話に構想を得た『空色勾玉』、
ヤマトタケルをモチーフにした『白鳥異伝』、
平安京の曙を舞台にした『薄紅天女』、
といった作品の番外編にあたる本です。
この三作は、いずれも勾玉をめぐるファンタジーであるところから
「勾玉三部作」と呼ばれ、
ファンタジーファンの人気を集めています。
残念ながら私はその「勾玉三部作」を、
持ってはいるけど、まだ読んではおりません。
実を言うと、私、ファンタジーがそれほど得意ではないのです。
特に、現実とは別の世界が舞台となる
“ハイ・ファンタジー”と呼ばれるものが。
名作『指輪物語』につながる『ホビットの冒険』(J.R.R.トールキン著)も、
ビルボ・ビギンズが冒険に出発する前に挫折してしまいました。
そんな“ファンタジー音痴”の私でも、
大人気の「勾玉三部作」を1冊も読んでいない私でも、
すんなり物語に入り込むことができたのがこの『風神秘抄』でした。
あらすじはこうです。
物語の舞台は、平安末期の日本。
主人公は、坂東武者の家に生まれた16歳の草十郎。
腕は立つが、孤独で、笛の名手でもある草十郎は、
仕えていた主・源義平を失い、絶望のうちに、
死者の魂を鎮める舞を舞う少女・糸世(いとせ)に出会う。
この二人が出会い、惹かれあうところから物語は動き出す。
糸世の舞には不思議な力があり、その舞が草十郎の笛と出会うとき、
死者の魂を送り、生者の運命をも変える強大な力が生じるのだ。
ともに生きられる道をさぐる草十郎と糸世の前に立ちはだかるのが、
二人の特異な力に気づき、利用しようとする後白河上皇。
やがて糸世は異界へと消え、その糸世を探し求めて、
草十郎は「鳥の王」とともに旅に出る。
500ページを越える大作ですが、時代設定のおもしろさと
登場人物たちのキャラクター造形の鮮やかさ、ストーリーの見事なうねりで、
飽きることなく読み進むことができます。
中でも秀逸なのは、人間界で修行している鳥の王・鳥彦王というカラス。
運命の渦にもまれ、悩む草十郎に寄り添い、手助けしてくれるのです。
「他人の身勝手がゆるせないのは、おれ自身も身勝手だからなんだろうな」
なんてことをさらりと言ってしまう鳥彦王とのかかわりの中で、
草十郎が人間として成長してゆく姿がほほえましく、清々しい。
凛とした文章で厚みのあるストーリーが展開される『風神秘抄』は、
“日本のファンタジー”のおもしろさを堪能できる本です。
週末に、どっぷりと物語の世界に浸りたい時におすすめです。
■『風神秘抄』荻原規子
■ 徳間書店 ■本体2,625円(税込)
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『ひゃくはち』早見和真著
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『DIVE!! 1・2・3・4』森絵都著
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『ハリー・ポッターと死の秘宝 上・下』J.K.ローリング作・松岡佑子訳
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『幻狼神異記 1・2・3』横山充男著
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『錦』宮尾登美子著
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『赤めだか』立川談春著
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『菜種晴れ』山本一力著
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『すーちゃん』『結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日』益田ミリ著
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『猫の帰還』ロバート・ウェストール著 坂崎麻子訳
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『そのぬくもりはきえない』岩瀬成子著
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『仏果を得ず』三浦しをん著
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『大阪ハムレット@A』森下裕美著
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『ハートランド物語1〜5』ローレン・ブルック著
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『ワタシは最高にツイている』小林聡美著
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『クロニクル 千古の闇1・2・3』ミシェル・ペイヴァー著
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『バレエダンサー上・下』ルーマ・ゴッデン著
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『天山の巫女ソニン 一 黄金の燕』
『天山の巫女ソニン 二 海の孔雀』菅野雪虫著
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『ぼくらは小さな逃亡者』アレックス・シアラー
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『コンビニたそがれ堂〜街かどの魔法の時間〜』村山早紀
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『風が強く吹いている』三浦しをん
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『バッテリー』あさのあつこ
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『獣の奏者I闘蛇篇』
『獣の奏者II王獣篇』上橋菜穂子
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『ロッキーへの手紙』武田修
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『きみの友だち』重松清
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『ロズウェルなんか知らない』篠田節子
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『シンジケート』穂村弘
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『一瞬の風になれ 1 イチニツイテ』佐藤多佳子
・
『風神秘抄』荻原規子
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