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たわわ書房おすすめの一冊

 
おすすめの一冊
『朝一番のおいしいにおい』
佐藤初女/著

映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番」の出演で
一躍有名人となってしまった佐藤初女さんですが、
その原点はなんといってもいのちを育む食べ物。

ご自身は女学校時代、お父様が事業に失敗し家を手放したり
長いこと結核を患ったりと大変な時期があったそうなのですが、
「この病気は薬などではなく食べ物で治る」と確信のようなものが湧いてきて
薬を捨ててしまったというエピソードがあり、びっくりしました。

やさしそうな風貌や柔らかな物腰の奥に
強い意思とゆらぎない信念のようなものが感じられるのは
彼女が信仰に支えられているからでしょうか。

初女さんが主宰する「森のイスキア」には
全国各地からさまざまな人が訪れるようです。
悩みを抱えた人、仕事に疲れた人、人生に行き詰まった人・・・
心と体の癒しを求める人々が、交通の便がいいとはいえない
森のイスキアへわざわざ足を運んでいます。
そんな人たちを迎え、ごはんをつくり、ゆっくり話を聞き、食事をし・・・
そしてみんな生命のエネルギーをもらって
ちょっぴり元気になってそれぞれの場所へ帰ってゆくのです。

ガイアシンフォニーを観たほとんどの方が
「あの映画に出てくる、初女さんのおむすびが食べたい」
と言うのだそうです。
どんなにか特別なおむすびなんだろうと思ったら
ごくごく普通のおむすびです。

「おいしいものは心の扉を開きます」

「おいしいものを食べていたら、人間ちゃんと生きていけますよ。
だから子どもたちにおいしいものを食べさせてあげたい」

とおっしゃる初女さん。
おいしいものとは、贅沢な食材を使った高級料理のことではなく
日々目の前にある素材を生かして、食べる人の体調や気もちを考え、
工夫して料理したもの・・と思います。

おむすびひとつにしても、初女さんはラップは使わない。
茶碗にこんもりと盛ったごはんをまな板の上に取り出し
あら熱を除きながら具を入れ、素早くボール状に握る。
手に水気があると味が壊れてしまうので塩だけをつけて握る。
その加減が、しっかり握ってあるにもかかわらず
固すぎず、かといって崩れず、
艶の良いのりにふんわりと包まれているのだそうです。

毎週末10個以上のおにぎりを作らされている私の頭の中は
どうやったら素早く、カンタンに作れるか!?
ということのほうが大きなウエイトを占め、
おいしく食べて頑張ってもらおう!という気持ちや工夫が
おろそかになっていたかもしれない、と反省しました。

“食育”とか“はやねはやおき朝ごはん”とか
国をあげて叫んでいる気がするけれど、
みんな知識では食べ物が大事なことも
早寝早起きの習慣が健康にいいことも
すでにわかっていると思います。

だけど、そのことをきちんと実践するって
また別のパワーがいりますよね?

さらりと書かれているけれど、
素材を慈しみ、日々手をかけて料理し、
提供しつづけている初女さんの仕事は
そう簡単に真似できるものではありません。

初女さんの言葉をひとつひとつ噛みしめながら
日々素材と挌闘!?しつつ
私なりに<食>について考えていきたいと思います。

小さな本ですが
作家:木崎さと子さんとの対談や森のイスキアを訪れた人のエッセイ、
そして何点かのお料理レシピが掲載されたうれしい内容です。

■『朝一番のおいしいにおい』  佐藤初女/著
■女子パウロ会 ■1,000円+税
 
このカフェの本棚
『朝一番のおいしいにおい』佐藤初女 著
『子どもに聞くいじめ』奥地圭子 編著
『あなたが守る あなたの心 あなたのからだ』森田ゆり、平野恵理子 著
『虫といっしょに庭づくり〜オーガニック・ガーデン・ハンドブック〜』曳地トシ・曳地義治 著
『遊んで遊んで〜リンドグレーンの子ども時代〜』クリスティーナ・ビヨルク 文
『女子の古本屋』岡崎武志 著
『夢をかなえるゾウ』水野敬也 著
『苔とあるく』田中美穂 著
『もっちりシフォン さっくりクッキー どっしりケーキ』なかしま しほ 著
『トットちゃんとカマタ先生のずっとやくそく』黒柳徹子・鎌田實 著
『たったひとつの命だから』
『たったひとつの命だから2』
ワンライフプロジェクト編
『お姫様とジェンダー』若桑みどり 著
『やさしい切り紙―折って、切って、開いてつくる』矢口加奈子 著
『ふくろうくん』アーノルド・ローベル作
『平和の種をまく ボスニアの少女エミナ』写真・文/大塚敦子
『子どもとゆく』山田太一・斉藤次郎ほか「子どもとゆく」編集部 編
「ピタゴラ装置DVDブック@」
『食からひろがる保育の世界−みどりの森の食日記』織部裕子監修/みどりの森幼稚園
『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン/著 上遠 恵子/訳
『自然に産み、自然に育てる ちあきのマクロビオティックタイム』橋本 ちあき 著
『ありがとう』ミツル・カメリアーノ〔作・色鉛筆画〕 みやけ ただあき〔英文〕
『小さいっが消えた日』ステファノ・フォン・ロー〔文〕 トルステン・クロケンブリンク〔絵〕
『のほほん親本舗』森まゆみ
『誰にも言えなかった』バス+ソーントン編著 森田ゆり訳
『ペレのあたらしいふく』エルサ・ベスコフ作 おのでらゆりこ訳
『完璧な親なんていない』ジャニス・ウッド・キャタノ著 三沢直子監修 幾島幸子翻訳
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