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おすすめの一冊
『誰にも言えなかった』バス+ソーントン編著 森田ゆり訳
「リンゴの皮をむくためのナイフが
加害者の意志ひとつで武器になるのとまったく同様に、
親密さと愛情を表現するためのペニスが
加害者の意思ひとつで強姦という暴力の武器となる。
ナイフとペニスという武器のあいだに
どれだけの違いがあるでしょうか?」
訳者の森田ゆりさんは、
本書のまえがきでこんなふうに書いています。
この本には、子ども時代に性暴力を受けた
女性たちの体験が語られています。
傷害事件の被害者は、
抵抗しなかったからといって
被害者の落ち度を問われることはないのに、
ペニスを差し込まれた被害者は、
抵抗しなかったから、
それも死に物狂いで抵抗をしなかったから
落ち度があったとみなされる。
とりわけそれが子どもの場合、
自分に落ち度があったからこんなことになっちゃったんだ、
私が悪い子だからこんな天罰を受けたんだ、
どこまでも抵抗しなかった自分が悪いんだ、
私も共犯者なんだ、
という思い込みを強く抱いてしまうのだそうです。
そして、それは誰にも言えないまま、
何年もその子の中に負の記憶として封印されてしまう。
今年、秋田で起きた
母親が自分の子供を殺害してしまったという二つの事件
(ひとつは橋の上から突き落とした。もうひとつは用水路で遺体発見)
について、専門家は、
犯人である母親自身がすさまじい虐待家庭・DV家庭で育っている、と述べています。
封印されていた負の記憶が
ゆがんだ形で現れてきたのでしょうか?
また、加害者は知らない人とは限らず
父親、兄弟、知人・友人であることも少なくないという事実に
愕然とさせられます。
一遍一遍の文章からとどけられる声は
どれも私たちの心に突き刺さり、
深い悲しみと怒りを呼び起こします。
でもそれだけではないのです。
絶望の淵にいた本書の証言者たちは
心理学者ではなく、セラピストではなく、犯罪学者でもなく
勇気を持って自分の体験を語り意識化することで、
自分自身で傷を癒し、生きる強さを取り戻し(=エンパワメント)ています。
本書は1991年刊行ですが、
その後、読者の中から
日本で子ども時代に性暴力を受けた人たちが声をあげはじめました。
これまでは公の場で語られることもなく
認められることもなかった彼女たちの声を集めた
『沈黙をやぶって』という本が
同じく築地書館から出版されています。
つらい体験を語り、告発し、証言し、
自らの尊厳と愛を取りも戻していくプロセスは
私たちをもエンパワメントしてくれます。
こちらの編者も森田ゆりさんです。
森田さんは日本にCAPプログラムを紹介した人・・というと
ご存知の方も多いかもしれません。
最新刊の「子どもが出会う犯罪と暴力」(NHK出版)も
おすすめです。
不審者狩りでは子どもを守れないということがよくわかります!
今回はちょっと重たいテーマでしたが、
ぜひぜひ読んでみてくださいね☆
■『誰にも言えなかった』バス+ソーントン編著 森田ゆり訳
■ 築地書館 ■2,000円+税
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『朝一番のおいしいにおい』佐藤初女 著
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『子どもに聞くいじめ』奥地圭子 編著
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『あなたが守る あなたの心 あなたのからだ』森田ゆり、平野恵理子 著
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『虫といっしょに庭づくり〜オーガニック・ガーデン・ハンドブック〜』曳地トシ・曳地義治 著
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『遊んで遊んで〜リンドグレーンの子ども時代〜』クリスティーナ・ビヨルク 文
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『女子の古本屋』岡崎武志 著
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『夢をかなえるゾウ』水野敬也 著
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『苔とあるく』田中美穂 著
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『もっちりシフォン さっくりクッキー どっしりケーキ』なかしま しほ 著
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『トットちゃんとカマタ先生のずっとやくそく』黒柳徹子・鎌田實 著
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『たったひとつの命だから』
『たったひとつの命だから2』
ワンライフプロジェクト編
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『お姫様とジェンダー』若桑みどり 著
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『やさしい切り紙―折って、切って、開いてつくる』矢口加奈子 著
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『ふくろうくん』アーノルド・ローベル作
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『平和の種をまく ボスニアの少女エミナ』写真・文/大塚敦子
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『子どもとゆく』山田太一・斉藤次郎ほか「子どもとゆく」編集部 編
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「ピタゴラ装置DVDブック@」
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『食からひろがる保育の世界−みどりの森の食日記』織部裕子監修/みどりの森幼稚園
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『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン/著 上遠 恵子/訳
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『自然に産み、自然に育てる ちあきのマクロビオティックタイム』橋本 ちあき 著
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『ありがとう』ミツル・カメリアーノ〔作・色鉛筆画〕 みやけ ただあき〔英文〕
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『小さいっが消えた日』ステファノ・フォン・ロー〔文〕 トルステン・クロケンブリンク〔絵〕
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『のほほん親本舗』森まゆみ
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『誰にも言えなかった』バス+ソーントン編著 森田ゆり訳
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『ペレのあたらしいふく』エルサ・ベスコフ作 おのでらゆりこ訳
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『完璧な親なんていない』ジャニス・ウッド・キャタノ著 三沢直子監修 幾島幸子翻訳
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