賞味期限表示の偽装、
親子や同僚間の殺人、
古紙含有率のでたらめ、
中国製食品から有機リン系農薬検出・・・
日々流れてくるすさまじいニュースの渦に、
「いったい私たちは何を信じたらいいの?」
と叫びたくなっちゃいますよね。
でも絶望してはいられない。
どんなに困難な状況でも明日はやってくるし、
目の前の子どもはお腹をすかしてる。
本書はテレビでおなじみの「たまねぎおばさん」、
女優で司会者でユニセフ親善大使の
こと黒柳徹子さんと、
「がんばらない」の著書がベストセラーとなった
医師の鎌田實さんの
たのしくてやさしくてせつなくて大切な
泣いたり笑ったりの対談集です。
今回大阪府知事選で当選した橋下弁護士は
「子どもが笑う」をマニフェストに掲げて
厳しい選挙戦を勝ち抜きました。
「子どもが笑う未来」・・・なんてわかりやすいメッセージなんでしょう!
浪花のおばちゃんでなくても
「この人、自分も7人子どもおるんやから
なんとかいい政治してくれはるやろ」
って思いますよねえ?
作戦の立て方が上手だったと思います。
著者のお二人は「子どもが笑う」未来のために
私たちはいま、何ができるんだろう?
私たちが育つときに親世代からもらったもの、
守り続けている約束って何だろう?と
お互いの過去からひとつひとつ出し合いながら
いのちと平和について考えていきます。
黒柳さんは、小学校に入ってすぐ退学になります。
そして「トモエ学園」という素敵な学校と出会うのですが
校長先生が4時間もずうっと彼女の話を聞いてくださったのが原体験。
トモエ学園で過ごした時間が
世界30ヶ国後に翻訳されている
名作「窓際のトットちゃん」を生みました。
ユニセフ親善大使としての顔は有名だけれど
耳の聞こえない人の劇団「日本ろう者劇団」をつくって
聞こえる人も聞こえない人も一緒に楽しめる舞台公演を
毎年されています。
鎌田センセは
育ての親とは別に自分に親があることを知ったのは37歳でした。
里親である岩次郎さんも、
鎌田センセの奥さんになったサトさんも秘密にしていましたが
「ぼくのうちには秘密がずっとあったけれど、
でもそれはお互いがお互いを思いやっての秘密だった」
と鎌田センセは言います。
そして大学進学に反対していた岩次郎さんが
やっと大学に入ることを認めてくれたときの約束
1. 弱い人を大事にする医師になること
2. 自由をあげるが自分の責任で生きていけ
をこれからもずっと守っていこうと思う、と続けています。
鎌田先生はかなり早い時期から
原発事故で被災したチェルノブイリの子どもたちを
救う活動を続けていらっしゃいます。
これまでに86回、医師団を送り込んで、
約14億円分の薬を送ってきたそうです。
二人とも、ベラルーシでイラクでソマリアでルワンダでカンボジアで・・
たくさんの国の難民キャンプで
実際に飢えや病に悩む子どもたちに会って
たくさん支援をしていらっしゃいますが、
声を揃えて
「難民キャンプに自殺する子はいない」
と言います。
私たちの住むこの国で
今日の晩ごはんに食べるものがない、という子どもや家族は
どれくらいいるでしょう?
物質的に豊かになってきたかげで
この国ではいまや毎年3万人以上の人が
自ら命を絶っているという事実。
幸せって物や暮らしが豊かになることじゃなくて
本当はごくごく小さくて
ほんの身近にあることなのかもしれない。
ご飯の炊ける匂い、お母さんの包丁がトントンと野菜を切る音、
スヤスヤ寝ている子どもの隣りでそのぬくもりを感じながら
ひとつの布団に入ってるとき・・・・。
案外ささやかでどうってことのないちっちゃな日常が
失った時に「幸せ」って気付いたりするものなのかもしれません。
最後に、本の巻頭にある鎌田先生の言葉を紹介します。
子どもたちに生きるヒントになる本をつくりたいと思いました。
学校に行けない子やいじめにあってる子、
病気があったり、障害があったりする子が読んで
勇気が出てくるような本にしたいと思いました。
子育てに苦労しているお母さんに、
子育てのヒントになるような本を作りたいと思いました。
子どもが大きくなって、近々おじいちゃんやおばあちゃんになるだろう人にも
読んでもらえる本ができたらいいなあと思ってつくりました。
生きるってすばらしいと感じられるような本ができたと思います。
はじまりはじまり・・・・・・