ひえ〜っ!!今月も締切だあ!と慌てふためきつつ原稿を書いているはっぴーです。
今、遅ればせながらひより堂さんがブックカフェで紹介し、
テレビドラマにもなった「バッテリー」を読んでいます。
ひたむきな少年たちと季節のうつろいが胸をキュンとさせてくれます。
おっと!
今回紹介するのは「バッテリー」じゃありません。
少年ではなく少女(・・・「元」少女も含め・・・)の物語。
登場する13人の女性が紆余曲折の人生の末に選んだ仕事はいずれも「古本屋」。
「ふるほんや」という響きは、「少女」には似つかわしくない感があるけれど、
彼女たちが展開している空間は、
ギャラリーだったり、雑貨屋だったり、ブックカフェだったり、
いわゆるこれまでの「ふるほんや」というイメージとはちょっと違い、
おしゃれでセンスがいい。
おいしいものが飲める、食べられる。
かわいい小物や雑貨も売っている。
楽しい企画があったり、きれいな掘り出し物に出会える。
そんなぜいたくな時間が味わえるところなのです。
和雑貨と古書のお店「旅猫雑貨店(東京:雑司ヶ谷)」
ネット販売の「海月書林(東京:荻窪)」
ブックカフェ「火星の庭(仙台)」
豆本・限定本・美しい本を売る「呂古書房」
内装がインテリアショップのような「トンカ書店(神戸)」
などなど、いずれも個性派の店主たちが
「古本屋」という空間で自己表現しています。
そのきっかけや開業にいたるまでのストーリーを
ライター岡崎武志氏がインタビューして
筑摩書房のPR誌「ちくま」に連載していたものをまとめたのが本書です。
岡崎氏の筆力もさることながら、
特筆すべきは、我らが仙台の誇るお店「ブックカフェ 火星の庭」の
店主:前野久美子さんでしょう。
太宰治ファンの彼女は、
太宰に憧れ青森へ→斜陽館で住み込み!→六本木の飲食店へとらばーゆ→キッコーマンのドイツ支店へ→仙台でホステス?→自然食やエコロジー雑貨のお店へ→半年間世界各地を放浪の旅?→書店でアルバイト→火星の庭開業へ・・・
彼女の波乱万丈な半生は聞いてびっくり、読んでびっくりですよ。
本以外にお店においてあるもろもろも面白いし、
アート系の情報もいっぱいあるし、
素材にこだわった自家製のケーキやセイロンカリーなどもおいしいです。
最近は俳句の会をやったり、てぬぐい作家を招いてのトークライブをやったり、
蔵書票の展示をやったり、小冊子の出版をしたりもしています。
古本屋という仕事は、
お店の棚がすでに店主の目線によって編集されています。
だからどんな切り口でお客さんに本を見せるか?は店主の腕次第。
そこが面白くもあり、大変でもあり、醍醐味でもあるのではないでしょうか。
一見のんびりしてそうだけど、
その居心地のよい空間を作り維持するために
彼女たちの払っている労力は並大抵ではありません。
体力的にも決して楽な仕事ではないはず。
でも本書に登場する店主はみんな
「なるべくして」古本屋になったのだ、
次に生まれても古本屋になるだろう、と言うのです。
そんな魅力が古書店という仕事にはあるのですね。
そして口をそろえて「女子にむいている仕事!」と言うのです。
男性よりも自由な発想で「古書店」という枠を超えてお店作りができる、
というのは女性ならではなのかもしれません。
表紙と挿絵は浅生ハミルンさんのイラスト。
これがまたかわいい!です。
ちょっとだけ非日常。ちょっとだけ異空間。
だけど毎日の平凡な日常のつづき。
そんなところが素敵でうらやましい13人のストーリーに惹きこまれること、うけあいです。
読み進めていくと、なんだか自分も小さなお店を持ちたくなってきますよ。