“やっぱり、子どもは徹底的に遊びきらなくちゃあ!”
この本を読んで一番にそう思いました。
「長くつ下のピッピ」や「名探偵カッレくん」「やかまし村の子どもたち」シリーズの著者として知られるアストリッド・リンドグレーンは、
昨年なんと生誕100年!(没後5年・・・長生きでしたね)を迎え
その記念に出版されたのが本書です。
リンドグレーンの名は知らなくても
ピッピやロッタちゃん、カッレくんのお話を読んで育った、という方は
多いのではないでしょうか?
私も懐かしくて「名探偵カッレくん」を読み返してみましたが、
子どもたちの好奇心をくすぐり、わくわくさせてくれる彼女の手腕は
年月がたっても色褪せることなく
現在の私をも十分に楽しませてくれました。
そして再び思ったのです。
“遊んで遊んで、倒れるまで遊んで、遊びつくさなきゃ!”
大人に知られない、小さな秘密を持つこと。
犯罪にならない程度の、ちっちゃないたずらやケンカをすること。
大けがをしない程度に、危険にトライし、スリルを味わう冒険。
草や花の匂いを嗅ぎ、季節を感じること。
あきるほど空をながめて空想したり、
何かになりきったつもりで過ごすこと。
明日はいったい何をしよう?と一緒に企てる友達がいること。
どれもとっても大事で、かけがえがなく、
大人になったらなかなか持てない体験ではないでしょうか。
でもリンドグレーンは
子ども時代を過ごしたスウェーデンの小さな町
ヴィンメルビーでのどこよりも素晴らしい輝く時間を一生忘れず、
たくさんの物語を私たちに書き残してくれました。
ゆたかな自然の中でのびのびと過ごした子ども時代が
彼女に50年近くにわたって物語を書かせたといっても
過言ではありません。
挿絵と写真が随所に散りばめられた本書を読むと
リンドグレーンの子ども時代は
まるでピッピのようにおてんばで、
みんなで高いところから干し草の山にとびおりたり、
木に登っておいしいサクランボを食べられるだけ食べたり、
兄妹で<床におりないあそび>をしたり、
サッカーに熱中したりしていたようです。
美しい写真の数々はヴィンメルビーへと私たちを誘います。
「マディケンの赤い家」や「ピッピのレモネードのなる木」や「黄色いごたごた荘」は
実在するのですね。
やかまし村のモデルは「セーヴェーズトルプ村」というところだそうで
こちらも近くに湖があり
自然と調和した古い建物が当時のまま残っていてとても美しいところ!
う〜ん、機会があったら旅してみたい!
私の勝手な考えではありますが、
子ども時代、充分に遊びきれなかった人、抑圧されて過ごした人は
大人になったときに、
詐欺や殺人といった本当の犯罪をおかしてしまう可能性が高いのではないか?
と思うのです。
子ども時代にちょっとしたいたずらやケンカで
けがをしたり、させられたりしていれば、
どの程度やったら人は死ぬのか?ということはわかるはずですし、
不正や嘘がどれだけ人を傷つけ不幸にするものかということも
小さな体験を積み重ねていれば、わかるはず。
NHKドキュメンタリーの1場面で
先生が小学6年生に
「死んだ人が生き返ると思うか?」と質問したところ
33人のうち85パーセントにあたる22人が「生き返る」と答えたそうです。
リセットすれば元どおり・・・何度でもやりなおしできる・・・と
まるで命をゲームのようにしか感じられない子ども(大人も?)が
増えているってことです。
悲しいけど、こんなとんでもないことが起こっているのが今の現実です。
だからこそ、
もっともっと生身の人間どおしで
くっついたりはなれたりぶつかったりしながら、
五感をフルに使ってくたくたになるまで遊んでほしい。
自然の美しさ・ありがたさ・不思議さ・怖さを
実感として感じとってほしいと思います。
はたしてうちのだんご3兄弟は・・・・?
あ、一人は今日も布団まで到達せずに
居間のテーブルの下で寝ております。
そろそろ私では抱きかかえられない重さになってきてるので、
なんとかたたき起して自分の布団まで歩いていってもらわなくちゃ。
彼らが「名探偵カッレくん」シリーズを読むのはもう少し先になりそう・・・?