
―― 仙台に住んで、気づかれたことはありますか?
すごいと思ったのは、人から人へのつながりです。「私の知っている人で、こういう人がいるのよ」と人の輪を広げやすいこと。
そして、東京よりインターナショナルな人と知り合いやすいのが、うれしい誤算でした。
最初は、東北大に留学しているバングラデシュの女性のホストファミリーになりました。普段は東北大のドミトリーに住んでいて、困ったときの相談など、日本の家族として接するのを2、3年。
去年、仙台市の「フランス・レンヌ フェスティバル」のためにレンヌ市から市民楽団が来た時も、ホームステイ先として応募して、1人が2泊していきました。
英語が通じるかなと思ったらフランス語しかできない方で、図書館で生活に必要なフランス語を書き写してきては、朝は「よい一日を!」とか、帰ってくると「今日はいかがでしたか?」とかカタカナ読みのフランス語でやりとりしていました。それでも、なんとかなるものですね。
スペイン語が好きで勉強していますが、最初の先生はボリビアの方で、その方が帰国されたら次はペルーの方と、いろんな国の人と知り合いになれます。

―― 交流してわかったことは、ありますか。
海外に行ったこともありますが、旅行はあくまで旅行。その点、海外の人が来られると、その国の考え方や暮らしぶりがわかります。
ホームステイに来たレンヌ市の人たちは、ブルターニュ地方と呼ばれるところで、フランスではあってもパリとはまた違います。
民族音楽が好きで集まっている市民楽団で、海外旅行をひんぱんにするわけでもなく、楽器の扱い方も丁寧で、けっしてハデじゃないんです。
さしあげたお箸を、「これはお母さんに、これは妹に」と持ち帰り、ちょっとしたものを「家族がすごく喜ぶ」とうれしそうに言われる。とても素朴なんですね。
―― 日本のことも見えてくるのでは?
日本のことを聞かれて答えられなくて、語学の前に日本のことを知らなくてはと痛感しました。そこから少しずつ、日本の良さにも気づくようになってきました。言葉がきれいで、いい言葉がたくさんあって。
『江戸しぐさ』という本からは、相手へのちょっとした気配りを知り、こんなにいい付き合い方があったんだと見直しました。子どもを育てる上でも、基本に立ち返ることができます。
―― 本はよくお読みに?
活字中毒なほど読んでいます。いろんなジャンルを読みますが、ずっと好きなのは、推理小説や時代小説。池波正太郎や向田邦子の文章が好きです。
子ども部屋に本棚をつくり、子どもの絵本と、私の文庫本と、もう一度読み直してみたいと実家から送ってもらった日本文学全集が並んでいます。家のあちこちにも、寝る前に読む本、家事の合間に読む本と、置いています。

―― こまぎれ時間の使い方がお上手ですね。
今年度は学校の役員もしていないので、ぽっかり空いた時間を楽しみたいと思っているんです。ぽっかり空いた時間を生かすのは意外と難しくて、何かやっていないと罪悪感があるんですね。
その時間にものを考えたり、図書館に行ったり、時間を生かしながら、時間に追われないように心がけようと思っています。
―― その考え方は、住環境も影響しているでしょうか。
図書館は散歩コースですし、歩くのも好きですから、それはあるかもしれません。周りにお店がなく、少し不便なのがいいのかも。
家を建てるときも、できるだけ収納をつくらずに、収納できないものは買わない、置き場を考えてから買うを実践しています。一つひとつのものを大切にしていきたいと思っているので。
子どもたちにも、そうあってほしいけれど、すぐ守れる子どもはいませんから、徐々にわかってくれれば、それでいいと思っています。
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