東北日和について
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白いのびやかな吹き抜けの写真スタジオを備えた一戸建てが、落合順子さんの自宅兼仕事場。スタジオの棚にはいつでもお茶ができるよう、ティーカップやお皿が並んでいます。物静かなご主人に「ねっ、滋さん」と話しかけながら、パタパタお茶を用意する様子はかわいらしく、お話も次々と広がっていきました。
―― 「おはよう」の後は、どのような一日ですか。
朝6時半に起きると、まず高校に通う娘のお弁当づくり。7時すぎに娘が登校した後、主人とふたりで朝ごはん。それが終われば、仕事です。主人がカメラマンで食品撮影などがあるので、それに合わせてレシピを考え、準備することが多いんです。
忙しいときは徹夜もあって、娘ももう自分でつくって食べてくれますから、夕食はそれぞれ。娘は小学校低学年の頃からオムライスをつくっっていましたし、東京の大学にいっている息子も料理は自分でしているみたいです。「ナスをいっぱい買ったんだけど、レシピを教えて」なんて、電話してきますから。
―― 食事に気をつかうようになったのは、いつ頃から?
子どもを生む前ぐらいからですね。丈夫な子どもを生まなければ、と思って。上の子が生まれたときから、玄米のおもゆでした。育てるときも、図書館に通って自然食の本を読んだりして。そのときに知ったツツジの花の天ぷらを、今も山菜の時期につくります。小ぶりのツツジの花の雄しべと雌しべを取り、天ぷらの衣にくぐらせて、箸ですっと軽く衣を落として揚げれば、淡いピンク色になるんです。ほのかにツツジの香りがして、彩りにもなるでしょ。あと、タンポポコーヒーもつくりますよ。タンポポの葉っぱのサラダも。昔は「えーっ、タンポポの葉っぱを食べるの?」って言われましたけど、いまでは東京のデパートでタンポポサラダが売られているんですから、時代は変わったなあと思いますね。
自然食を心がけているので、毎朝かならず飲むのもスギナ茶。薬草茶ですけど、主人は「顔にペタペタつけると、肌がツルツルになった気がする」と言ってます。
―― もともと食べることに興味が?
母と兄が食べることに、すごくこだわりがあって。「あのお店のうなぎがおいしいから」とか言いながら、出かけるとかならず、おいしいお店に行っていました。5歳上の兄は、「勉強のために」と、お寿司屋さんも一日に3軒まわって、食べ比べるんです。にぎりのおいしいお店、ちらしのおいしいお店と、よく一緒に連れていってくれました。「おいしいものを食べないと、おいしいものがつくれないから」とは言ってましたね。結局、兄は料理とは関係のない仕事に就きましたけど。
滋さんも料亭の孫で、おいしいものを食べるのが好きなんです。外食もよくしますよ。話題のお店とか、素材にこだわっているお店。盛り付けも見たいから、外観がおしゃれなお店とかね。
―― フードコーディネーターの仕事も自然な流れですね。
それが、なりたかったのは着物のスタイリストだったんです。着物のモデルになったのも、勉強になるかなと思って。たしかに、いいものを見る勉強にはなりましたよ。豪華な打掛を着たり、帯の結び方なども。でも見た目は華やかだけど、厳しい仕事です。当時は体重が40キロなかったから帯の下にタオルを何枚も巻いて具合が悪くなるくらい。身長も160センチだから足袋の下にかさ上げするものをつけて歩いたり。かつらも重くて。仙台に来てからも、しばらくは東京などへ着物のモデルとして行ったりしていましたけど、滋さんの撮影の手伝いをするうちに、食品メーカーさんの依頼で料理を作ったり、レシピを作ったりするようになったんです。
店頭に並ぶ商品のレシピを考えて、作って、撮影するというもので。季節の素材を入れたメニューは、彩りはもちろん、カンタンでおいしくて、栄養バランスのいいもの。数えきれないくらいレシピをつくりました。下の子がお腹にいたときも、病院でレシピを書いていましたから。一つの仕事が、次の仕事につながるからと、一生懸命。つくることで勉強していました。
―― 日中は、ほとんどスタジオ内に?
レシピを考えたり、まとめるときは、お気に入りの喫茶店によく行きます。一番奥の席を、自分の席と決めていて。月3回くらい、多い時は毎週行くこともあります。ケーキとコーヒーをいただきながら、レシピをまとめるんです。おいしいものを考えるときは、おいしいもの食べながら。食べているときが、いちばん幸せですから。
落合順子さん
Ochiai Junko
家族構成/夫、長男、長女
1957年 東京都生まれ
1977年
青葉学園短期大学の家政学科を卒業着物モデルとして活動
1982年
夫の出身地である仙台へ移住
1991年
広告写真とデジタル映像制作を行う(有)シー・ポイントを夫と設立
料理撮影のフードコーディネートを開始
1999年
フードコーディネーターとして展覧会を共催
現在は食品メーカーの商品開発やレシピ提案、ウインドーディスプレイを手がける。(財)仙台市産業振興事業団や宮城県商工会連合会の専門家としても活動。
美しい生き方を見習いたい、仙台在住のフラワーデザイナー阿部さやか先生からプレゼントされた、お気に入りのカップ。
彩りのきれいなレシピファイル。数えあげられないほど作った中から厳選したメニュー。これまでの知識が、ぎっしり!
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代表取締役 長久保美奈さん
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フードコーディネーター
落合順子さん
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