おもしろがっていたいですね。落語みたいなオチがつくように。

オフの日。ご自宅で迎えてくださった川野目亭南天さんは、すっかりお母さん。家族5人の生活がはじまって、まだ1年経っていないけれど、お子さんたちと交わす言葉も空気も、とても自然。女性の転機となる結婚も、家族との関係も、仕事と家庭の両立も、ひょいひょいと越えていく、心が軽くなる生き方をうかがいました。

いきなり、『芋たこなんきん』生活

―― ずいぶん、生活が変わられたでしょう。

photo

激変しました。いままでは、ぜんぶ自分の時間だったのですが、そうでもなくなって。それが苦痛でもなく、意外とやれるものなんですね。

ひとり暮らしのときは、毎晩、国分町をパトロールしているような生活で(笑)、そのころは仕事の1時間前に起きれば、十分だったんです。洗濯物をためてもいいし、料理もやらなくていいし。

それが、いまは朝5時に起きて、6時までに洗濯を済ませて、朝食づくり。週末に部活があるときは、お弁当をつくっています。

子どもの数は違うけど、ちょうどNHK連続テレビ小説の『芋たこなんきん』と同じ感じ。朝の忙しい時間でも、あの毎朝15分は見ていました。運動会に行けない話のときは、「うちも、うちも」と言いながら。

 

―― 食事は、すべて南天さんが?

下の子ふたりが小学生のときは、夕方5時までに1分でも早く帰って、上の子が部活から帰ってくる6時には、晩ごはんを食べさせてあげたいと思っていました。

こういう仕事ですから、夜に仕事が入ることもあります。その時は、いったん帰って料理をつくって出ていくこともありました。まず第一に、食事の時間に食べられるようにしたい。晩ごはんも、なるべく全員そろって、と思っていたんです。

いまは、子どもふたりが中学生になったので、いろいろ。子どもたちや主人に、家事の負担をかけているなとは思います。

―― ですが、家事をよくそこまでされるように。

photo

結婚すると決まったときも、母親が「あんたにできるの? 3人の子どものお母さんが」と心配していました。子どもたちにまで「お母さんは、なにもできないからね」って言ったりして(笑)。

料理もやったことなくて、よく子どもたちに「これなあに?」と聞かれるんですけど、火を通せばなんでも食べられると思っているので(笑)。

いままでなら、疲れたと思えば、食事をしないでパタッと横になれたけど、いまは夕飯は待ってくれない。子どもたちが学校に行く時間も迫ってきますから。

世の働いているお母さんたちは、すごいなと思います。食べさせて、着せて、働きに出かけているんですから。

 

―― 結婚することへの戸惑いは、ありませんでしたか。

結婚への戸惑いとか迷いとか、考えている間もなかったんです。

子どもが3人いるのも知っていたし、結婚する1年前から子どもたちと出かけたり、運動会を見に行ったりしていたので。

でも、子どもたちが多感な年頃だったので、「NO」と言えば、結婚はないだろうと思っていました。

それが、子どもたちは動揺もなく、ノリがよかったので。それから、転校せずに住める場所を探しはじめたんです。

本音でぶつかりあう家族

―― 実際に生活をはじめてからの印象は?

photo

もっと疲れるかと思っていました。それが、なかなか楽しい。全員がよくしゃべるんです。子どもたち3人が競って学校のことを話します。寝る頃になっても、「まだ話したいことがある」と、ネタがいっぱい。

もっと遠慮があるかと思ったんですが、親子で本気でぶつかりあいます。ワァーッと泣いて2階に上がっても、すぐ下りてきて、立ち直りが早いんです。怒ったときは、いけない、いけない、こんなにかわいい時もあったんだと、リビングの七五三の写真を見るようにしていますが。

 

―― 生活するうえで、心がけていることは?

なにか不満に思うことがあったら、子どもとも、主人とも、率直に話し合います。モヤモヤした気持ちをひきずらないように、なるべく早く解決するようにしています。

だからなのか、みんな発散しすぎるほど。1日くらい穏やかな日があってもいいなとは思うけど、大きくなっていく過程なので。

もともとは、思ったことをぶつけるのは苦手なほうだったんです。でも、ひとつ家の中で5人が暮らさなきゃいけないのに、ひとりでもモヤモヤしていると空気が悪くなるでしょう。みんなで楽しくいるために、思っていることは口に出そう。結婚するとき、そう強く思ったんです。

 
プロフィール
川野目亭南天さん Kawanometei Nanten
家族構成/夫、長女、長男、次女
1966年 岩手県遠野市生まれ
1984年 宮城学院女子大学を卒業
学生時代に放送局でアルバイト
東京の道路交通情報機関に就職
1985年 フリーのアナウンサーとして独立
仙台の放送局のオーディションに受かったのを機に、仙台に拠点を移す
1997年 東方落語の活動をスタート
今野東さんが立ち上げた、東北弁による落語の会に参加
2005年 東方落語の真打に昇進
「かわのめえりこ」から「川野目亭南天」に改名
2006年 結婚
フリーアナウンサーとして15年のキャリアをもちながら、真打昇進を機に改名。噺家「川野目亭南天」として活動するように。同じ年に結婚。プライベートでは妻、そして3人の子どもの母となる。公私とも充実した日々。
photo

真打になった記念につくった名入りてぬぐい。師匠の今野東さんが、“難を転ずるように、東に対する南の天に”と願いをこめて命名。

photo

家族みんなで造った庭。おフロからあがって、「みんな、ごはん持って外来てー!」と夕涼みしながら食事するのがマイブーム。

後編へ進む→

 
バックナンバー
vol.024
佐藤律子さん
vol.023
ケセラセラ 代表 森瀬はるみさん
vol.022
七ヶ宿の白炭 生産者 佐藤円さん
vol.021
伊達なママの会 会長 鈴木せつ子さん
vol.020
アイリッシュハープ奏者 月輪まり子さん
vol.019
日本和装学園・NPO法人日本礼美協会 仙台青葉カルチャー本校 学園長 小原優子さん
vol.018
噺家 川野目亭南天さん
vol.017
陶芸家 鈴木ハツミさん
vol.016
アナウンサー・言の葉アーティスト 渡辺祥子さん
vol.015
Studio Fahren 高木雅美さん
vol.014
ソプラノ 相澤佳代子さん
vol.013
阿部さやかフローラルセミナー 阿部さやかさん
vol.012
La Famille Mouton 高橋由香さん
vol.011
ピアノ奏者 武井美樹さん
vol.010
亀田陽子さん
vol.009
果樹園うめつ
梅津留美さん
vol.008
フリーランスアナウンサー
阿部侑生さん
vol.007
(有)ミナ・コーポレーション
代表取締役 長久保美奈さん
vol.006
フードコーディネーター
落合順子さん
vol.005
荒岩本店 常務取締役
リフレクソロジスト 荒井美佐子さん
vol.004
(有)モイスティーヌ仙台販売
代表取締役社長 名倉 愛さん
vol.003
みやぎグリーン購入ネットワーク
事務局長 山岡講子さん
vol.002
マリンバ奏者 渡辺峰子さん
vol.001
財団法人せんだい男女共同参画財団
理事長 遠藤 恵子さん
風水レッスン
女性の医学
▲ページの先頭へ