前号まで10回にわたり、母親が仕事を始めるための最優先課題である「子どもの保育確保」をメインテーマに進めてきました。今号からはいよいよ、セカンドステージ!「自分らしい働き方の選択」を考えていきましょう。
自分の夢、収入、子どもとの時間など、仕事を選ぶ要素の優先順位に悩みながらも、自分や家族に適したワークスタイルを見つけて働くお母さんたち。その奮闘ぶりをご紹介し、皆さんが自分自身の働き方を考える、または見つめ直すヒントになれば、と思っています。

野菜ソムリエの資格が導いた新しい仕事への道
カワシマ ヨウコさん(ベジタブル&フルーツマイスター/35歳)
子/長女(7歳)、次女(4歳)

きっかけは「娘たちにもっと野菜を」 
野菜や果物の魅力を伝える食のスペシャリスト「ベジタブル&フルーツマイスター(※)」。カワシマさんは、仙台にはまだ二人しかいない「マイスター」の一人として、イベントの企画、TV番組への出演など多方面で活躍している。
もともと料理や食に関心があり、「紅茶アドバイザー」の資格をとったり、パン作りを習ったりしていたが、実は最初から野菜や果物が特別好きだったわけではない。「娘たちに野菜をたくさん食べてほしいと思っていたので、資格の勉強が役に立ちそうだなって。それに、昔から『ウンチク』を傾けるのが好きなタチなので、野菜や果物に詳しくなって娘たちの前で偉そ?に語ってみたかったんです(笑)。」


ハードワーカーだった正社員時代
前職では、某新聞社で販売店の営業指導に長年携わり、出張で各地を飛び回っていた。長女を出産後も、約10ヶ月の産休をとって職場復帰。配属は内勤に変わったが、ときには泊りがけの出張や土曜出勤もあり、残業もこなしていたという。忙しい夫に代わって、子育てを支えてくれたのは近所に住む実家のお母さん。ずっと専業主婦だったお母さんは、彼女が産後もハードな仕事を続けるのに反対しつつも、かわいい孫のためにと協力してくれた。
しかし、次女が生まれると、お母さんも赤ちゃんと幼稚園児のお世話にさすがに疲れ果ててギブアップ。子どもたちとの時間があまりとれないことに悩んでいた彼女も限界を感じ、12年間勤めた仕事を退職することを決心した。


野菜と果物の魅力にハマって猪突猛進
ちょうど退職を考えていたころ、「野菜ソムリエ」の資格がマスコミでとり上げられるようになり、興味を持った。当時仙台は講座が開かれていなかったが、「時間の余裕もできたし、思い立ったが吉日」と、迷わずジュニアマイスター講座の受講をスタート。約2ヶ月間ほぼ毎週末、東京まで新幹線で講座通いを続けた。そして、今まで気づかなかった野菜や果物の魅力にどんどん惹きこまれていく。
結局その先の「マイスター」資格を目指し、2005年の1月から3月の間、再び週末は東京へ。その間子供たちの面倒は、夫やお母さんが全面的に協力してくれた。講座の後には難関の試験も待ち受けていたが、寝る暇を惜しんで勉強し、秋には見事合格を果たした。


情熱が少しずつ仕事につながっていく
資格を取得してからも、野菜コーナーで新顔野菜をチェックしたり、東京でのワークショップに参加したりと精力的に勉強を続けた。やがて熱心さを買われて、日本ベジタブル&フルーツ協会から講座のアテンドなどを依頼されるようになり、今ではマネージャーとして同協会仙台支社の運営も担っている。
協会のワークショップや講座は土日の開催が多いため、幼稚園や小学校の行事と重なることが多いのが悩み。それでも、一度出勤してから途中で抜けて行事に顔を出し、また仕事に戻るなど、子供たちのために涙ぐましい努力をしている。
「この資格をとったことで、主婦として、母親として実生活に役立っています。それから、仕事を通じて人の輪が広がったことや、組織の一員としてではなく自分の意志で動けるようになったことも嬉しい変化ですね。最近では、幼稚園の家庭学級などに講師として出向くことも増えてきましたが、子供たちが心身健やかにに育つために、まず家庭の料理を担うお母さんたちの食に対する知識や関心を高めたい。そういう地域貢献につながる活動をこれからも地道に続けていくのが目標です。」

「ベジタブル&フルーツマイスター」
日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が2001年から開始した民間資格。
詳しくは協会ホームページ http://www.vege-fru.comを。


取材者より
「ん?今までと文章が微妙に違う?」と気づいたアナタは鋭い!前号までの担当者が都合によりお休みするため、今回からライターが変わりました。
引き続き「mama's life」をご愛読くださいね!

取材時は、11月中旬の支社開設準備でてんやわんやの真っ最中。それでも元気っぱい、とびきりの笑顔で話を聞かせてくれたカワシマさん。一見華やかに見える仕事だけれど、何度もレシピの試作をしたり、素材の産地を訪問したりと見えない努力を重ねています。その明るさとひたむきさが、次々と仕事を引き寄せているような気がしました。そして、
「資格をとって満足」じゃあだめなんだなと実感。かく言う私も、資格取得を目指しているのですが、、、。その続きはまた次回に。

長女・萌ちゃん、次女・風花ちゃんと。
「レシピの試作品の『批評係』は娘たちなんです。大喜びで食べてくれるんですよ。」
仕事と家庭生活をうまくつなげて、短いながらも濃い、子どもたちとの時間を捻出している。萌ちゃんは、「高学年になったら、私も野菜ソムリエの勉強をしたい!」と言い始めたそう。「私の仕事を認めてくれている気がして、、、、。なんだか嬉しいですよね。」
 
資格をとるまで&とってからの宝物たち

書き込みがいっぱいのテキストは、ガンバリの証。試験勉強中は、子供たちとともに9時に寝て、夜中1時頃起きて机に向かった。4、5時間勉強して、そのままお弁当作りなど家族の朝支度をスタート。「今も実はそのペースで生活してるんです。昔から睡眠時間が短くても平気なんで」。ひえ?!カワシマさん、実は『美女の皮をかぶった妖怪』!?


最初の試験は惜しくも受からなかったが、あきらめずに努力し、2回目で得たマイスターの合格証書。「またいつか働きたい」という思いはあったものの、当時はこの資格が直接仕事に結びつくとは考えていなかった。


野菜ソムリエのユニフォームとも言うべき、協会オリジナルのエプロンとスカーフ。講座などで人前に立つときに身に付ける。ちょっと色あせてきた具合から、カワシマさんの活躍ぶりがうかがえる。


「勉強中はかなりハードだったけれど、目標を持つことで生活にハリが出ましたね。資格取得にはそれなりに費用もかかりましたが、自分への先行投資として無駄ではなかったと、今つくづくおもっています。」
 
バックナンバー
vol.016
子どもに関わる仕事に「たどりついた」
vol.015
出産を機に好きなことが仕事に
vol.014
3人のママ+正社員
vol.013
ママ+カラーセラピスト+事務
vol.012
mama+jobの資格選びと活かし方
vol.011
mama+jobの選択肢1 〜資格をとって働く〜
野菜ソムリエの資格が導いた新しい仕事への道
vol.010
子どもの保育を考える4/そのほかの保育サービス
vol.009
“パート”というmama+jobで生き方探し
vol.008
子どもの保育を考える3/幼稚園にサポートしてもらう保育
vol.007
幼稚園を選択し、子どもの生活優先のmama+job
vol.006
子どもの保育を考える2/保育所にサポートしてもらう保育
vol.005
我が家の保育所体験レポート
vol.004
子どもの保育を考える1/祖父母にサポートしてもらう保育
vol.003
実家で育児援助してもらうmama+job
vol.002
育児女性の再就職支援事業が東北でもスタート
vol.001
再就職して感じていること
遠藤佳子さん
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