仙台都心のビル群を眺める明るいオフィスで迎えてくださったのは、笑顔のさわやかな佐藤美紀子さん。家庭教師の派遣などを行う教育サービス企業でNo.3のポジションにある実力派ですが、かもし出す空気はやわらか。その秘訣はどこにあるのか、ワークスタイルからキャリアビジョンまでうかがいました。



事務局長になって5カ月。佐藤さんの仕事への姿勢が変わってきた。
「家庭の学習相談がメインだった教務部の頃は、アポイントの相談をこなすのが精一杯。人への気づかいが足りないときがありました」

自分のウィークポイントをしっかり捉え、改善していくのが佐藤さんのやり方。そのきっかけになったのは、同僚の姿勢だったそう。
「営業から帰ってくると、『おつかれさま』と、必ずひと言かけてくれるんです。慣れてくるとおろそかになる『ありがとう』も、すんなり口にできる、その姿勢が素敵だなと思って」
気づいたことは、すぐ実践するタイプ。『感謝すること、されること』を信念に、クレームも感謝の気持ちで受けとめる。
「言いづらいことを口にするのは、すごく勇気がいること。だから、教えてくれてありがとう、と思えるようになりました」
感謝を覚えて、自分の気持ちをコントロールできるようにもなった。
「この経験は将来きっと子育てにも役立つ気がします」


佐藤さんの立場は、上司と部下の間、家庭と講師との間に立って取りまとめる役。難しい立場だからこそ、心がけていることがある。それは、波長を合わせること、共感すること、ほめることの3つ。ときには家庭からの相談を受け、年上の講師を注意しなければならないこともある。そんなときも、まず講師から理由を聞く。そして「そこまで考えてくださってありがとうございます」と共感し、感謝し、「でも……」と注意を促す。ささいなことだけれど、ワンクッションおくことで人間関係がぐんとスムーズになるという。
部下にも、やりたいことを思いきってできる環境に心をくばる。
「どんどん力を発揮してほしいなと思って。もし失敗しても、その責任は私がとるから大丈夫、と」
その判断力、決断力、実行力が頼もしい。実際は小柄なのに、話をしていると大きな大きな人に見えてくる。だからだろうか、今年も合格発表の日、保護者から電話が入った。
「先生、合格しました。あのとき相談にのっていただいたから、この日が迎えられました。ありがとうございました」
電話の先は涙声。お母さん、子ども、講師の先生、いっしょに勝ち取った合格を思うと、佐藤さんも涙があふれてくる。
だから、この仕事はやめられない。
スタッフの中にも「感謝の言葉を言ってもらうこと」を目標に挙げる人が多い。以前は抽象的に「がんばったね」とねぎらっていたけれど、最近は数字を添えることで、目標を具体化しようとする自分がいる。たとえば、「今月は○人の相談にのろう」とか「感謝の言葉を10人から言ってもらおう」といった感じに。経営的な判断ができるようになったかも、と少し思えるようになってきた。


役職では責任ある立場になったけれど、精神的にも頼られる存在でありたいという佐藤さん。その器が備わっているかと自問自答して、焦りも感じるという。その不安を取り除くために、通勤電車の30分に読書を欠かさない。心理や営業関係、自己啓発など、1週間に2冊は読む。本から得たことで実践しているのが、朝の時間の活用。勤務時間は午前11時から午後8時までだけれど、1時間早く出社して、ネットで情報収集をしたり。最新情報をキャッチしたら、自分なりに分析し、ビジネスチャンスになるよう、スタッフに伝える。

「今がいちばん楽しいかも。仕事は、高めあえる友達のようなものだから」と笑う佐藤さん。さらに先の夢はあるのだろうか。
「社長がよく言うんです。いろんな部署をつくって、そこにいろんな社長がいたらうれしいなって。その1人になれたらと思います」
つねに前向きで、ビジョンが明確。だから、まっすぐに上をめざしていけるのかもしれない。


「事務局長になって、実家の角田市から通勤するようになりました。角田の自然がいいんです。歩いて15分くらいの山に上ると、蔵王連峰が一望できて気分がすっきり。景色と家族に癒されています。悩みも、仕事の話は大学時代の友人に、家族や自分のことは地元の友人に、と内容によって相談する友人もさまざま。悩みすぎると、友人たちが、すっと助けてくれる。だから、こうして立っていられるのかも」
身近に家族がいて、気心の知れた友達がいて、心を解き放てる自然がある。今年11月には、結婚も決まっているそう。ますます東北で働くベースが固まりつつある。

  プロフィール
佐藤美紀子さん  Sato Mikiko
1977年12月19日生まれ

2000年3月
宮城教育大学 学校教育教員養成課程卒業

2001年4月
教育関係の企業で営業職を経験

2001年10月
『家庭教師のアップル』の株式会社セレクティー入社。講師と教務部スタッフを兼務

2004年5月
教務部マネージャーに昇進

2005年11月
仙台事務局長に昇進。保護者と講師のマッチング、家庭教師先の学習相談や進路相談といったトータルサポートのほか、講師や社員のマネジメントを担当。



スケジュールや部下のいいところをメモしているマル秘ノート。美肌サプリを入れたポーチやペンケースは、お気に入りの和テイスト。




















企業プロフィール
  株式会社セレクティー
1996年創立。社員11名(うち女性7名)。
『家庭教師のアップル』として、教員免許取得者や塾講師経験者などプロ家庭教師を派遣。仙台市内3校では、1対1の個別教室での指導も行う。人材派遣部門では、約2000名の登録講師を教育機関や企業研修の講師としても派遣する成長企業。

http://www.apple-net.jp/
 
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