東北日和について
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すらりとしたスタイルに、透きとおるような白い肌、さらりと流れる長い髪。雪音さん自身が、オリジナルブランドを象徴するかのような佇まい。外見はまさしくジュエリー作家なのだけれど、お話をうかがってみると、理念しっかり、経営的なセンスも磨いてきたことがわかる。起業2年目のいま、雪音さんが語る、これまでと、これから。
女性起業家として取り上げられることが多くなった雪音りえさんから出てきたのは、「起業しようと思っていたわけではないんです」という言葉。仙台にいるのも、もとはハードな会社勤めで体調をくずし、地元へ戻ってきたのがきっかけだった。自宅療養をしながら、アルバイトをし、友人からの依頼でジュエリーをつくるようになった。そこからクチコミで広がり、ショップへの卸や展示会への出品に声がかかるようになリ、起業したのは、地元に戻って10年目のこと。
「実際に起業してみたら、自分の責任と判断で仕事ができるから、会社に勤めるよりはラクでした。ただ、それは誰もがそうとは限りません。起業した人で、「こんなに辛い思いするなら」と言っている人もいますし」
企業と起業、どちらも経験している雪音さんから出る言葉は慎重。では、起業した人の言うツラさとは、どんなことなのだろう。
「永遠のテーマは、人間関係とお金の問題。スタッフが思うとおりに動いてくれないとか。お給料を払わなければならないとか。最初は売上が多いわけではないし、当然、個人の資産や貯蓄からスタートしますので大抵の場合、数年間は“ただ働き”でプライベートの時間もありません」
それを逆に原動力に変えるには、「 “好き”であることと、“ビジョン”があること」だという。好きというのは、仕事もだけれど、人が好きであること。それが、サービス精神にもつながってくる。
もの静かに見える雪音さんも、こうと決めたら行動派になる。
パワーストーンのオリジナルジュエリーをビジネスとして展開するために行ったのは、100人アンケートやデータの作成。すでにパワーストーンを活用しているお客さまや、その方の知り合い、友人などへ、パワーストーンジュエリーの使い方や希望をリサーチした。
「まず自分が納得したかったんです。特に数値にしづらい精神面なので、あえてデータ化して」
アンケート結果を集計してみると、過去の文献とも一致していた。過去と現在と表現は違っても、求めているのは同じ幸福感。気になることも、仕事のこと、恋愛のこと。感情の差はなかった。
オリジナルの作品優先で走りがちなところを、雪音さんはきちんと市場を俯瞰し、自分の感覚との差がないかを検証する。そのベースがあるから、自分の作品により自信をもてる。お客さまも、感覚的な言葉だけでなく具体的なデータで示されれば安心する。趣味とビジネスの境目は、そのへんかもしれない。
市場マーケティングはもちろん、経営者の資質も起業に欠かせない。雪音さんは、1年間をインプットの時期と決めて、集中的にセミナーや勉強会に参加した。
「1度セミナーや勉強会に行くと、ものすごい量の情報がくるようになります。なんでもいいからアクションすることが大事」だという。月1回のペースで、経営、コミュニケーションスキル、精神世界、投資など、幅広いジャンルのセミナーに参加した。
「いろんな視点で世界を見るバランスが大事なんです。でも、勉強するだけで満足のセミナーオタクにはならないように、年間で収入の10%までしか使わないと決めて、自分でいいなと思ったものだけ参加したんです」
経営セミナーでは、市場での自分のポジションがわかり、今後の動きが見えてきた。パートナーシップ形態を組みたいと考えて参加したコーチング講習では、指示型ではなく、相手が気づき自ら行動を起こすコミュニケーションの取りかたを実践的に学べた。
「いろんなセミナーに行って思ったのは、結局、人は自分の中に答えをもっていて、その出し方がわからないだけ」
その出し方をセミナーで学ぶことができた。
YUKINE DESIGN WORKSに、社員はいない。すべてパートナーシップ形態をとっている。
「1人で10年やってくると、自分だけでやれることの限界が見えてくるんです。自分の得手、不得手もあるし、苦手なことをフォローしてくれる人がいることで、1+1が2ではなく、3にも4にもなる。そうしなければ、広がらないから」
パートナーには、経営コンサルタント1名、営業的な役割1名、ワークショップの講師や総務的な役割をもつ1名の計3名がいる。それぞれが独立した個人事業主などで、住むエリアもさまざま。メールミーティングや定期的に会うことなどで情報を共有化する。
「一緒に働く人は、ビジョンを共有できる人。同じ価値観のもとに集まった人たち」と信頼をおく。経営の中身もガラス張り。売上や粗利を示し、それぞれの報酬もすべて話し合いで決める。それは、アメリカでは一般的な合同会社(LLC)のような形態。知識やノウハウを提供している人にも報酬を出すスタイルを取り入れているのだ。
雪音りえさん Yukine Rie
宮城県生まれ。
家族構成/夫
武蔵野美術大学短期大学部
工芸デザイン科 金工コース卒業
アパレルブランドに入社
小物部門の企画や生産管理を担当
退社
仙台に移り、オーダーメイドジュエリーの製作を開始
2004年
YUKINE DESIGN WORKSを起業
「ソウル・ストーン」「ステージ・ストーン」という独自の定義をもとに、オリジナルジュエリーを製作するインナーヴィジョンアーティストとして、本格的にスタート。ネット販売と対面式のフルオーダーを中心に展開
秘かにもつお守りという存在だったパワーストーンを、美しさと精神性を両立した魅せる存在へとかえた、雪音さんのジュエリー。
その時々の気を高めるパワーストーンとアロマ感覚で使うスマッジンググッズ、お客さまへ手紙を書く万年筆が、出張セット。
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vol.022
Kimono Magic HORONIC BOSS 佐藤宏美さん
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