ひとあたりの良さと物腰のやわらかさから、キャリアの長さや重責も、あまり感じさせない千葉智子さん。けれど、話に出てくるのは、法令を守るためのシステムづくりや組織づくりといった、経営面にも関わること。会社の位置づけも、社員の立場も、十分に理解している社歴16年目。その聡明なまなざしは、いま何を見つめているのだろう。


キャリア志向ゼロからのスタート
教育の道、ひと筋。そう思わせる大学への進学や教育関連企業への就職は、それほどの強い意志があったわけではなかった。
「先生になるというイメージをもたないまま大学に入って。キャリア志向もなく、就職して。3年は働き続けたいな。続けばいいな、というくらいで」

なんとなく流れにまかせてという感じだけれど、教員になる友人が多いなか、企業を選んだのには、それなりの理由がある。きっかけになったのが、学生のときの進研ゼミ電話オペレーターのアルバイト。
「16年前といえば、通信教育がいまほど浸透していなくて、私自身あまり信頼していなかったんです。自分でも利用したことがなくて、教材を送りつけて終わりかと思っていたくらい。それが、電話での応対が、これでもかというくらい丁寧だったんです。教材が壊れて届いたと電話が入れば、どこまでも対応する。期限内に提出できなかった課題も、いつ送ってきてもいいし。今ではサイトがあり、顧客サービスが充実していますが、当時はそこまで応対していることを知らなかったんです。企業としての姿勢も、方針も、この会社は違うな、と思って」
それが、入社の動機になった。


上司も女性、部下も女性
最初に配属されたのは、進研ゼミの赤ペン先生の組織運営を行うセクション。上司も、先輩も、ほとんどが女性だった。だれもが仕事に思い入れをもって働き、活躍していた。
「当時は、こういうものかと思ったんです。最近になって、真面目な人が多い会社なんだなと気づいたんですけど(笑)」
女性の働きぶりに驚くわけでもなく、拒否反応を起こすわけでもなく。自分も同じような働き方になっていった。女性が多い職場というと、つい難しい面があるのではと想像してしまうけれど……。
「それは、ありませんでした。女性の上司が、女性に対してだけ厳しいということでもなく、女性も男性も扱いは同じですから。育てるために言ってくれている、というのもわかりますし」
東京本部や本社には社内に託児所もあり、子育て支援も充実している。 “女性にやさしい会社”というイメージもある。
「管理職の30%が女性だったり、子どもがいても働き続けている女性が多かったり、というのはありますが、やさしいかどうかは定義しだい。あくまで男女均等。」

必要以上に会社のイメージアップを図るでもなく、客観的に、冷静に、説明する。そのバランス感覚のよさも、働く上で欠かせない。


30代後半から、仕事は集中力
 おちついた印象の千葉さんからは、あわてる様子も、ミスをする様子も、あまり想像できない。たぶん、周りからチェックされるようなことは少ないだろう。だからこそ、よけい自分に厳しくなるのかもしれない。
「メンバーの育成では、自分が経験した仕事だと、後輩も自分と同じようにしないといけないと思って、知っている範囲にはめようとしてしまうこともありました。今になってみると、その人のやり方を認めたら、よさをもっと生かせたかな、とも思うんですけど」
これまでの反省材料から、また一歩よりよい方へと前進していく。
仕事の仕方も、変わってきた。30歳過ぎまでは、体力にまかせて残業もした、仕事を持ち帰ることもあった。立て込んでくると、朝7時代から出社することもあった。それも体に無理がきかなくなる30代後半が見えてきたところで、働き方を変えるようになった。
「上司もよく言うんです。メリハリが大切、と。たしかに夜9時、10時まで残って仕事をしても効率は悪いですから」

最近は、帰宅が夜8時。総合職としては、早いほうだろう。それだけに、勤務時間中はとにかく集中する。業務の目的を頭に入れ、全体像を把握し、求められる期待に確実に応えていく。


手作り系で、クールダウン
ぐっと仕事に集中すると、会社を出ても頭はまだくるくる回り続けている。その切りかえ方にも、自分なりの方法がある。
「8時、9時に帰って、ごはんを作って、9時、10時からパン作りやビーズ作り。だんどりを考えて、完成をイメージして、集中するからクールダウンになるんです。料理もその一つなんです」
  プロフィール
千葉智子さん Chiba Tomoko

1968年生まれ。
家族構成/夫

1991年
宮城教育大学を卒業

1991年 
福武書店仙台支社(現ベネッセコーポレーション東北事業所)に入社
赤ペン先生の採用や研修を担当

1993年
マーケティング部に配属

1994年
総務部に配属

1997年
高校事業部に配属

2001年
総務部と地域マーケティング部を兼任

2005年
総務部に専任
総務、経理、労務などを担当。事業所経験を生かし、基盤整備にあたる




「パートナーである取引様が商品サービスをイメージしやすいように、事業所を訪ねたお客さまにご覧いただけるように」と、千葉さんの提案で自社の情報誌やアイテムを入口にディスプレー。


すがすがしい気持ちになれる風景写真を見ることは、職場での千葉さんの快適習慣。









 
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