東北日和について
メンバー登録
すっきりとまとめたファッションやヘアスタイルから、清楚で凛とした印象の守末睦美さん。落ち着いた振る舞いや言葉は、とても2年前まで学生だったとは思えないほど。まったく甘えは感じられない。親の近くにいても、自立して、揺らぎがないように見える。けれど実際には、考えながら、悩みながら、仕事に向きあっている24歳が見えてくる。
苦労なく就職できていいな、とんとん拍子に昇進できていいな。もしかしたら、守末睦美さんのプロフィールだけを見て、そう思ってしまう人がいるかもしれない。けれど、スムーズに就職できたとしても、昇進できたとしても、ぬくぬくと働いているとは限らない。睦美さんも、父の跡を継ぐということが、どのくらいハードなことかはわかっていた。
「父は、仕事、仕事で、休みがなく、たまに遊園地に連れて行ってもらっても、電話がかかってきて途中で帰ってしまうという感じで。それだけ忙しくても父は、『仕事が楽しくてしょうがない、やめたいと思ったことは一度もない』と言うんです。子ども心に不満はあったけど、父がそこまでのめりこむのは、どういう仕事だろう、とは思っていました。」
家には美容の専門誌や婦人向けの雑誌があり、小学生のころから自分でまとめ髪をしたり、中学生になると姉たちと編みこみをしたり。マンガで見た髪型を試したこともあった。高校の文化祭では、父親からスプレーなどを譲ってもらい、クラスメイトの髪をセットしたことも。
美容界への意識が、少しずつ、少しずつ、高まっていった。
親元を離れて、東京で1人暮らしを経験してからの入社。担当する仕事は、広告宣伝・販促、総務経理、事務、人事、社長秘書など、ほとんど全般。どれも知識はまるでなかった。父親は、あくまで放任主義。新入社員としてじっくり教えてもらうこともなく、どう対処すべきか、実践で探っていく日々が続く。
いまも「暗中模索」と言いながら、最近では広告掲載をする情報誌の会社との打ち合わせを行い、新しいホームページを制作するため、システム会社とのやりとりも行っている。
「何もわからず携わるようになったんですけど、ホームページも数見ていると、なんとなく良い・悪いがわかるようになるんです」
わからないことは誰かにおまかせではなく、自分なりの視点をもてるように自分スタイルで身につけていく。そこが、睦美さんらしいところ。
そして入社して9ヶ月後、睦美さんは取締役になった。後戻りすることも、立ち止まることもできない。前にしか道はない。
そのときから1年が過ぎたけれど、立場には慣れただろうか。
「失敗はいっぱいあって、まだわからないことも多いし、経営的なことは、まったくに等しいくらいわからないし。一刻も早く覚えなきゃというアセリもありますが、"いまできること"をやっていこう、と」
自分が理解していること、していないことも、しっかり捉えられているからこそ、出てくる言葉。意気込みがあるのに、目標が見えているのに、そこに追いついていない自分がいる。だから肩書きに浮かれることなく、とても謙虚。では、"いまできること"とは、どんなことだろう。
いまの立場に必要なのは、「状況を客観的に見る目と、先をよむ目」の2つだという睦美さん。
「美容業界はいつも最新のものを提案しなければなりません。トレンドについても、美容室の経営の方法も。つねに新しいものを提案していかないと、おいていかれるから」
そう言う睦美さんは、もう取締役のまなざしになっている。
では、どうやって新しいものを提案していくのだろう。睦美さんの場合は、まず情報収集から入る。それも、できるだけ大量に。1カ月単位で、ファッション誌は目を通せるだけ通す。お店で読んだり、書店で買ったり、立ち読みしたり。でも、24歳といえば好きなものに興味がいく年ごろ。つい自分の趣味に走っていまいそうだけど、「学生のころとは、見方も、見るポイントも変わってきた」という。
「最初にパッと全体を通してトピックス的なものをつかみ、次はサービス面などをじっくり読み直すんです。うちのお客さまだったら、これを取り入れようとか、生かせるものがないかな、と思いながら」
その見方は、広告業界のクリエイター並み。そのほかにも、美容専門の経営雑誌に、チラシに、仕事に生かせるかもと思われる、ありとあらゆるツールに意識は向いている。
「バーゲンのチラシやDM。勉強しようと思えば、何でもできますから」
こうした自分なりのマーケティングが、"トレンド"と"お客さまのニーズ"をしっかりと結びつけている。
守末睦美さん Morisue Mutsumi
1982年生まれ。
家族構成/父、母、姉3人
2005年3月
学習院大学 文学部を卒業
2005年4月
株式会社 紀生に入社本部企画室を1名で発足
2006 年1月
取締役に昇進。紀生グループ内でもKISEIをはじめとする美容室を主に担当。広報、総務経理、人事、社長秘書など、オールラウンドに社長である父親をサポートする。
●主なKISEIグループ
KISEI美容室
KISEI C2-C
maniatis PARIS
桂由美フランチャイズ仙台
仙台ゆりが丘 MARIAGE UNE VILLE
仙台ヘアメイク専門学校
美容の専門誌は、パソコン業務で頭が疲れたときや、食事中に目を通す。ちょっとした休み時間も、情報収集を欠かさない。
予定が組みやすい1週間単位の見開き手帳と、愛用の電子辞書。「かわいい」と思って買ってみると、たいてい赤色に。
後編へ進む→
vol.022
Kimono Magic HORONIC BOSS 佐藤宏美さん
vol.021
仙建工業株式会社 渡邉尚美さん
vol.020
いわて蔵ビール 企画・醸造担当 星 直美さん
vol.019
株式会社ミツカン ドライ事業カンパニー仙台支店 栄養士 久田智子さん
vol.018
とも子助産院 代表助産師 伊藤朋子さん
vol.017
活動写真弁士・ナレーター 桜井麻美さん
vol.016
Zelkova.K 川崎けやきさん
vol.015
株式会社デュナミス リサーチ&コンサルティング・人事労務担当
岩澤仁子さん
vol.014
株式会社インテリジェント・コスモス研究機構
細川麻里さん
vol.013
un plus+
舛田裕子さん
vol.012
Little Frasco
大澤史佳さん
vol.011
社会保険労務士
門田陽子さん
vol.010
NPO法人エコメディア・ファンデーション
小野妙子さん
vol.009
ヒューレックス株式会社
金山由佳さん
vol.008
株式会社 紀生
取締役 守末睦美さん
vol.007
株式会社ベネッセコーポレーション
千葉智子さん
vol.006
東北電力宮城支店
大内淳子さん
vol.005
YUKINE DESIGN WORKS
雪音りえさん
vol.004
有限会社アライブ・ワン
代表取締役 後藤美香さん
vol.003
株式会社エンタツ
氏家佳子さん
vol.002
株式会社 プロジェクト地域活性
中居るみ子さん
vol.001
株式会社セレクティー
佐藤美紀子さん
▲ページの先頭へ