東北日和について
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取締役といっても、店長会議ではいちばん年下、キャリアもまだない。それぞれの店舗をまかされている店長は、専門的な知識や技術があり、プロフェッショナルとしての誇りもある。さらに、店長クラスの上には幹部がいて、社長がいる。自分でおもしろいと思って立てた企画も、そのまま通ることはまずない。賛同してもらえるだけの材料も必要になる。
「提案する際、数字的な分析は不可欠です。特に、提案に対して興味が無い人の心を惹きつけ、ポジティブな方向に動かすのは至難の業。そういった場合、話の仕方、間合い、ジェスチャー等がとても重要になってきます。私は話し方のプロではないので、いろいろな方の話し方を参考にしています。
また、一人で企画をしていると、見えていない点、偏っている点が少なからずあります。ですから、いつも企画のいくつかの段階で、第三者にチェックしてもらい、修正するよう心掛けています。」
地道な作業を繰り返す。そこには話す力だけでなく、現場と距離感が生まれないように、聞く力も欠かせない。
スタッフのモチベーションが上がるように、必要な書類も「提出してください」のひと言だけでは終わらないようにしている。その書類が、何のために必要で、それをどう活用しようとしているのかまで、きちんと説明する。資料も関心が高まるよう、工夫もする。
そう心がけるようになったのも、仕事をはじめたころ提出物の集まりの悪さにビックリしたから。たしかに、スタッフは毎日走り回って忙しい。朝早くから夜遅くまで働いて、お昼も取れないこともあり、休みの日は勉強会があって、と大変なのは知っている。でも、それにしても集まりが悪すぎる。「どうしてだろう……」と考えてみて、わかった。「みんなに興味をもってもらえなかったんだ」と。
「白い紙に文字を印刷しただけの、大学生のレポートのようなものをつくってしまって。あっ、つまんなかったんだ、って。じゃ、次はカラーを使ってみよう、図を入れてみようと変えてみたら、反応がよくなってきたんです」
人のせいにせず、まず自分から変わる。ビジュアルで見やすくして興味を引き、「お客さんに使ってくださいね」と現場にお願いすると、スタッフがセンスを生かして「ちょっとかわいく作り直しちゃった」とアレンジしてくれる。少しずつコラボレーションができるようになってきた。
いまは猛スピードで吸収し、目の前にあることに精いっぱい取り組んでいる時期。実践から学ぶことも多いけれど、セミナーで気づかされることも多い。たとえば、美容師向けの経営セミナーも、その一つ。
「現場の声が聞けるうえ、お客さまとの接し方、スタッフとのコミュニケーションの取り方なども参考になって。それに参加していると、美容師さんの視点は、また違うものなんだとわかってきました」
美容師の視点、経営者の視点、そしてお客さまの視点。そのどれも持ち合わせていることが大切になる。今まで以上にお客さまに喜んでもらえるように、サービス接遇強化のために受けたセミナーも新鮮だった。
「サロンの中で、お客さまから見える位置でキレイな姿勢で立ち、目があえばニコッと笑う。暑そうなお客さまには冷たい飲みものを、寒そうなお客さまには温かい飲みものをと声をかけ、ブランケットをかけてさしあげる。特別なことをする必要はない。『私はいつもあなたを気に掛けていますよ』という心くばりが見えるサービスが大切なんだな、と気付きました。」
新しい発見を楽しそうに話す睦美さん。スポンジが水をぐんぐん吸うように吸収している様子が伝わってくる。
笑顔でがんばっている睦美さんだけれど、「実は新しいことに挑戦するのは、すごくニガテなほう」だという。でも、その戸惑いよりも、もっともっとアセリのほうが大きい。
「いま24歳ですから、せめてあと2年で美容に関しての経営的な知識はつめておきたい。本当は2年といわず、一日でも早く一人前になりたいんですけど。いざというとき、経営的な判断ができるようにと思って」
気をゆるめることもなく、グチをこぼすこともなく、前に進んでいる睦美さん。ストレスで凝り固まってしまうのではないかと、つい心配になる。息抜きは?と聞いたら、うーんと考えて、「ドライブです。運転が楽しくて、最近は福島の土湯温泉に行ったり、もみじ狩りとか、たまにするようになって」という答えにホッとした。
けれど、「景色、美術、音楽など、キレイなものを見たり聴いたりするのも好きです。そのときは純粋に楽しんで鑑賞しますが、後から、そういえばこの前見たのが、この販促に使えると思ったりもして……」と、
やっぱり仕事から離れられない様子。それは父親ゆずりなのか、睦美さんの気質なのかは、わからないけれど。
守末睦美さん Morisue Mutsumi
1982年生まれ。
家族構成/父、母、姉3人
2005年3月
学習院大学 文学部を卒業
2005年4月
株式会社 紀生に入社本部企画室を1名で発足
2006 年1月
取締役に昇進。紀生グループ内でもKISEIをはじめとする美容室を主に担当。広報、総務経理、人事、社長秘書など、オールラウンドに社長である父親をサポートする。
●主なKISEIグループ
KISEI美容室
KISEI C2-C
maniatis PARIS
桂由美フランチャイズ仙台
仙台ゆりが丘 MARIAGE UNE VILLE
仙台ヘアメイク専門学校
スタッフの名前や趣味を覚えて会話。ビアパーティや全社員で迎える入社式など、コミュニケーションの機会も自ら率先して。
A4サイズが入る大きなバッグは、両親からのプレゼント。色も形もサイズもお気に入りで、仕事にプライベートに大活躍。
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株式会社 紀生
1970年創業。社員170名(うち女性121名)。
「KISEI美容室」をはじめ、開放感あふれるナチュラルサロンの「KISEI C2-C」、パリの人気ヘアデザイナーの技術をもとにオートクチュールのスタイルをかなえる「maniatis PARIS」の3ブランドを展開。いずれもKISEIアカデミーで技術やサービスを身につけたスタッフが対応。
vol.023
サロン「TRESOR (トレゾワ)」代表 清水香里さん
vol.022
Kimono Magic HORONIC BOSS 佐藤宏美さん
vol.021
仙建工業株式会社 渡邉尚美さん
vol.020
いわて蔵ビール 企画・醸造担当 星 直美さん
vol.019
株式会社ミツカン ドライ事業カンパニー仙台支店 栄養士 久田智子さん
vol.018
とも子助産院 代表助産師 伊藤朋子さん
vol.017
活動写真弁士・ナレーター 桜井麻美さん
vol.016
Zelkova.K 川崎けやきさん
vol.015
株式会社デュナミス リサーチ&コンサルティング・人事労務担当
岩澤仁子さん
vol.014
株式会社インテリジェント・コスモス研究機構
細川麻里さん
vol.013
un plus+
舛田裕子さん
vol.012
Little Frasco
大澤史佳さん
vol.011
社会保険労務士
門田陽子さん
vol.010
NPO法人エコメディア・ファンデーション
小野妙子さん
vol.009
ヒューレックス株式会社
金山由佳さん
vol.008
株式会社 紀生
取締役 守末睦美さん
vol.007
株式会社ベネッセコーポレーション
千葉智子さん
vol.006
東北電力宮城支店
大内淳子さん
vol.005
YUKINE DESIGN WORKS
雪音りえさん
vol.004
有限会社アライブ・ワン
代表取締役 後藤美香さん
vol.003
株式会社エンタツ
氏家佳子さん
vol.002
株式会社 プロジェクト地域活性
中居るみ子さん
vol.001
株式会社セレクティー
佐藤美紀子さん
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