東北日和について
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どこで、どんな立場で、なんのために働くのか。そう考えたとき、頭に浮かぶのは、どんなシーンだろう。今回ご登場いただく小野妙子さんは、まだ収入を得る仕事には就いていない。けれど、NPOの一員として、企業や官庁などに幅広いネットワークをもち、環境活動を通して社会に関わっている。その活動や言葉からは、成熟した仕事観が伝わってくる。
さまざまな環境活動があるけれど、エコメディア・ファンデーションが扱っているのは、広告入り国産材わり箸「アドバシ」。日本のわり箸は海外からの輸入品に頼り、森林破壊につながっているともいわれている。その一方で、国産材は間伐にかかるコストが高く、森を守るために必要な間伐ができず放置されている状態にある。
そこで、小野さんが所属するエコメディア・ファンデーションでは、わり箸袋に広告を入れ、その収入によって国産材わり箸の普及を図り、日本の森を守ろうという活動を2004年から行っている。間伐材で作られた割り箸を広く使ってもらえば、間伐を定期的に行うことができ、スギや、ヒノキの森を健全に保つことにもつながるから。
東北ではまだアドバシの例はなく、小野さんが普及活動をはじめたばかり。同じ大学院の社会人院生に「東北でもアドバシを広めたい」と相談したところ、環境NGOの財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)を紹介してもらえた。
さっそくMELON主催のエコミーティングで、地元企業の約30名と名刺交換。07年1月下旬にはMELON主催のシンポジウムで、企業や林業関係者50名を前に事業内容を20分ほど報告する予定になっている。こうした活動は、小野さんの自発的なもの。
「エコメディアは、デザイン会社や新聞社、広告代理店、出版社など、第一線で働いている人が主体のNPOなので、できる人が随時行う感じなんです。業務ごとに担当者が決まっているわけでもなく、東北担当といっても、ゆるい感じなので」
まだ助走の段階。売り込みに走るというより、まずゆるやかに溶けこんでいくのが、小野さん流でもある。
大学2年の頃からアドバシの活動に関わり、広告主となる企業との交渉から協賛金の折衝まで行ってきた。キャンパスに新たにコンビニがオープンするらしいと聞けば、オープニングイベントに来るコンビニの広報担当者に会いに行って直接交渉。オープン告知の媒体としてアドバシを提案し、協賛してもらうことに成功。不足額は、わり箸袋のもう片面に学園祭告知をすることを大学に提案し、予算化してもらった。
「ミニストップがオープンするときは、広報の人ともあいさつをして。その場でアドバシの話をして、いくら協賛していただけますか、と。たぶん、学生だから受け入れてくれたところはあると思います」
エコメディアの人からもアドバイスはもらったけれど、提案も実動も小野さんを中心とする学生メンバー10人ほどが行った。
大学院進学で仙台に来てから小野さんは、エコメディアの活動とともに、MELONの活動も手伝いはじめた。
「わり箸は広告媒体として一般的なツールではないので、賛同してもらい、紹介してもらうには、信頼関係がないと成り立たないんです」
信頼をもとに人とのつながりを広げていく。だから、あえて小野さんは自分で枠を決めず、活動範囲を広げていく。
自分の可能性を広げたいという思いは、大学に進学する頃からあった。環境系を学びたいと思っていた頃、ちょうど姉が学んだ大学から新設学科のお知らせが届いた。新しい価値観で学べそうな気がした。
「実際に、企業を経験した先生方が多く、アルバイトとは違うNPOやNGOなど社会との関わりを学生の頃からもったほうがいいと勧められて。大学も、企業と連携した活動をサポートしてくれて。友達にも恵まれ、環境活動をするようになったんです」
周りのサポートがあってのこと。そう小野さんは言うけれど、エコメディアに関わるきっかけになった学園祭のイベントを立ち上げたのも、コンビニへアドバシを提案したのも、率先したのは小野さんだった。
アドバシの活動をアピールすれば、たぶん就職先はいくつもあったはず。小野さん自身、就職を考えた時期もあった。
「環境を語るには大学のライフデザイン学科だけでは足りず、専門的な知識を得たいと思ったんです。でも、周りが就職活動をしていると自分も就職したくなって。在学中の活動を生かして就職したいと思っていたら、両親から説得されて最終的には大学院に。大学は私立に行かせてもらったので、大学院は国立に絞って探しました。全国でも環境保護の政策を研究できるところは少なくて、それができるのが東北大でした」
初めて暮らす仙台は、家族で遊びに来たことのある街。大きな都市というイメージがあったけれど、東京で学生時代を過ごしたせいか、大きな街という感じはしなくなっていた。ここでアドバシを広めたい。そう思ったのは、仙台に来て半年後のことだった。
小野妙子さん Ono Taeko
1982年新潟県生まれ
家族構成/父、母、姉、祖父、祖母、犬
2002年
大妻女子大学 家政学部 入学
ライフデザイン学科の第1期生
2003年
エコメディア・ファンデーションの活動に参加
2006年
大妻女子大学 卒業
2006年
東北大学大学院 環境科学研究科 入学
エコメディア・ファンデーション東北担当として活動
大学院で研究をしながら、エコメディア・ファンデーション東北担当として広告入り国産材わり箸「アドバシ」を広める。財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)の活動の一部にもスタッフとして参加。
国産材わり箸の袋に広告する「アドバシ」。写真やQRコード、裏面に再来店効果をねらうサービス告知を入れる方法もある。
冬至の夜、電気を消す100万人のキャンドルナイトを啓蒙する、06MELONエコプロジェクト「杜のともしびLIVE」もお手伝い。
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