NPOにもビジネスセンスは必要
エコメディアの一員としての活動は、アルバイトとはまったく異なる。広告主との信頼関係のもとに成り立っているところが大きい。そこには、費用対効果の視点も欠かせない。

「広告主の企業から話を聞き、アドバシで最大限に効果を生み出さないといけないし。非営利団体であっても、組織としての活動資金もつくらないといけないので」

取引先の利益と、エコメディアの活動資金。そのバランスを考える意識は、学生のちょっとしたお手伝い感覚からは生まれてこないもの。マネージメント的な意識も感じられる。

「社会人になっていても、おかしくない年齢だから」

ごく普通といった感じで言う小野さんには、社会人1年目と同い年とは思えない落ち着きがある。


ものおじせず、会話を楽しむ
社会や組織を俯瞰しているらしいことが、小野さんの会話を通して伝わってくる。それができるのは、友人や知人の層の厚さも関係している。

「同年代より、ひと世代上の人との関わりが多くて、勉強になる部分が多いんです。環境活動は環境省や企業とのやり取りもあって、学生としての責任では収まらなくなっていたこともあり、ボランティアという意識はなかったから。企業に話を聞きに行くことにも、話をすることにも恐怖感はないので」

年齢もキャリアも格段に上の人たちと、対等に話をできる環境が常にある。それだけに、興味をもってもらえるように、情報収集は怠らない。
「新聞は、日経です。どの商社が海外に進出したとか、社長が代わったとか、コアな情報が載っているから。スポーツでも、ファッションでも、なんでもですけど、新聞や雑誌の見出しはひと通り頭に入れておきます。親の影響で、私も雑誌魔なので」  
情報通だから、友達や知り合いからもよく電話が入る。結婚式の靴はどこで選べばいい?とか、奥さんに財布をプレゼントしたいんだけど、どこで買ったらいい?といった感じに。


信頼が導く、生きた情報
なにか尋ねられたら、1日リサーチして情報を送る。いろいろな人に話を聞いて、その話がつながっていくことにもおもしろさを感じる。そのおかげで、自分にもさまざまな情報が入ってくる。

 「東大の研究員の方から、国際会議の話や海外のリアルな話を聞けたりして。知らない分野の話を聞けるのが、おもしろくて」
悩んだときや、行き詰ったときも、まったく違う分野の人に相談すると、客観的に見て、違う視点でアドバイスしてくれるのもいいところ。

「違う世界の意見を取り入れられるので、悩んでいたことがスッキリするんです」

自分で出せなかった結論が、話すことで解決したこともある。環境活動をしていても、ある程度の収入はほしいと思う自分がいる。週1回はマッサージにも行きたいし、年1回は海外にも行きたい。革製品も持つ。消費する部分もある。

「矛盾しているな、と自分でも思うんです。それじゃダメですよね、とエコメディアの人に言ったら、できることをやっていればいいじゃない、って。環境活動だからボロボロの格好をしていればいい、というものじゃない。見せる力も必要だよ、と言われて。そうか、と」

社会人の先輩たちの言葉に支えられている。友達からの「あの活動、見たよ」「私も参加するよ」という言葉にも、自分が周りの小さなコミュニティの中で受け入れられているのを実感できる。


意志ある働き手になる
すでに活動を通して、社会との関わりをもっている小野さん。大学院の先にめざすものは見えてきているのだろうか。

「仕事は収入を得るものであり、自分を成長させるもの。結婚をして専業主婦になるのは、もの足りないかも。まだ24歳だし、結婚もまったく考えてないんですけど。仕事をして、事業を起こしたいという気も、あったり、なかったり。プロジェクトを核に、企業同士を紹介する仲介業をビジネスにするのも、おもしろいかな、と」
まだ、明確には定まっていないようだけれど、どこで働くにしても、こうありたいと思える姿はかたまっている。「一社員としてより、意志をもった働き手になりたいな」と。
  プロフィール
小野妙子さん Ono Taeko

1982年新潟県生まれ
家族構成/父、母、姉、祖父、祖母、犬

2002年 
大妻女子大学 家政学部 入学
ライフデザイン学科の第1期生

2003年 
エコメディア・ファンデーションの活動に参加

2006年 
大妻女子大学 卒業

2006年 
東北大学大学院 環境科学研究科 入学
エコメディア・ファンデーション東北担当として活動

大学院で研究をしながら、エコメディア・ファンデーション東北担当として広告入り国産材わり箸「アドバシ」を広める。財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)の活動の一部にもスタッフとして参加。




国産材の間伐材でつくった、あたたかみのある名刺。大学2年から使いはじめた100枚を仙台に来て使いきり、また追加した。


MELON主催LIVEで配った、ウエディングキャンドルを再利用したリメイクキャンドルや、とうもろこしでできたエコペンなど。






















企業プロフィール
  NPO法人エコメディア・ファンデーション
2004年発足。人員10名(うち女性2名)
露出すればするほど地球がよくなる広告媒体を「エコメディア」と呼び、その第1弾として広告入り国産材わり箸「アドバシ」を開発。国産の間伐材を有効利用して、日本の森を守るとともに、海外の森林破壊を食い止める活動を展開。アドバシは新しい広告媒体として注目されている。
 
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